亜済様
驚きました。
これはお見事な作品です。
デザイナーベビーのモチーフを上手く文学的題材として落とし込んでおられる。そればかりか、一人称で書かれた主人公の語り口が大変瑞々しくて素晴らしい。AI遺影のアイディアも、単なるアイディアに終始せずに、きちんと筋書きの一部として盛り込まれている点も、端正で感銘を受けました。
主人公についてですが、彼(或いは彼女)の無性別性もまた良いですね。私は男ですので、主人公を女性だと思って読みましたが、或いは彼を男性だと思って読むこともできる。何にしても、多層的な解釈のできる趣深い主人公造形のように感じました。
私は、文学がケチな生活的要請に閑却されることを嫌う性分ですので、私はそのような態度への意趣返しとして、SFのモチーフを純文学的に仕立てるような創作に個人的に取り組んでいます。亜済様は、正にその試みに成功しておられますね。今後のご活躍が、ますます期待されるところです。
以上になります。
下手な感想にはなってしまいましたが、亜済様の御作に大変心打たれましたので、ついついコメントを残してしまいました。
突然のコメント、失礼いたしました。
作者からの返信
ありがとうございます。
私はそもそも、「ジャンル」を必要としているのは、大抵作家ではなく読者の側だと考えております。ですから、「SF」でも、「純文学」でもなく、書こうとするものが先立つ創作を、何より、目指すというわけです。こうして、しばしば、完成する、ジャンル横断的な作品たち。その一つが本作でした。
ご期待に添えるよう、今後、一層活躍する所存です。
とてもよかったです。
転校生が、結局なんにも変わらなかった転校生が、爪を磨いていたというシーンに思わず涙が出ました。
素敵な物語をありがとうございました。
作者からの返信
こちらこそ、ありがとうございます!