第411話
周囲の砂塵を、腕を振るう事で吹き飛ばし、周囲を波動結界で確認し、地形と生体反応を確認する。
「生命反応が63、死体が8か。あとはタワーマンション屋上に丸い構造物があるな……」
「――か、桂木警視監っ!」
周囲を確認したところで、俺の名を呼んでくる声が。
視線を向けると立花が土や木片でスーツを汚した状態でセメント袋を盾にして身を屈めていた。
「立花警視監か? これは、一体、どういうことだ? 死体が転がっているが? どうして、こんなところにいるんだ? 広瀬警部補を捕まえに来たんじゃないのか?」
「き、きききき、君こそ! どうして、ここに!?」
「そんなに震えてどうかしたのか?」
そう言葉を返したところで、銃声が鳴り響く。
空気を押しのけて飛来してくる銃弾。
俺は銃弾を左手で受け止める。
「――なっ!?」
絶句する立花に、俺は思わず溜息がでる。
何を驚いているんだと。
「なるほど、戦闘中だったということか。それにしても――」
手のひらを広げて銃弾を確認するが、それはライフル弾。
「まだ玄武の残党がいたのか? まぁ……いい。立花警視監、お前達は、黙って見ていろ。ここからは戦闘のプロフェッショナルの時間だ」
告げた途端、20を超える手榴弾が俺の立っている場所へと、タワーマンション上層部から投げ込まれてくる。
そして――、次々と足元で――、俺の周囲で爆発し爆風が衝撃が肉体を傷つけ――、
「まだ、中国軍は俺の力を理解していないようだな」
断続的に投げ込まれてくる手榴弾の爆風に身体を晒しながらも、細胞を高速再生させ続ける。
それにより、どんな攻撃であっても皮一枚どころか20マイクロメートル程度の傷しか残すことはできない。
「か、桂木警視監……」
俺を見ていた立花の目が、変わっていく。
人から化け物を見る目へと。
ただ、それは異世界でもよくあったことだ。
「いいか? ここからは俺の仕事の時間だ。邪魔はするなよ?」
上空を見る。
そして、俺を攻撃してきている兵士に向けて跳躍する。
一瞬で30階層まで到達したところで、腰からデザートイーグルを引き抜き銃口を向け――、電磁場を展開するとトリガーを引く。
黄金色の光を帯びた銃弾――、レールガンが兵士の肉体を消し飛ばす。
「何か叫んでいるようだが、日本語じゃないから分からんな」
モノクロの電源をONにし、言語翻訳もONにする。
「な、なんだ! あの化け物は! 撃てっ! 撃てっ! 上の階層には近づけるなっ!」
「なるほど」
次々と飛んでくる銃弾。
それらの中を歩きながらデザートイーグルの銃口を兵士達に向けて、トリガーを引く。
俺が撃ったレールガンは、資材どころかコンクリートを含む鉄筋すら粉々に粉砕し貫通し兵士の肉体を人間の原型が留めないまでにバラバラにする。
「――ば、化け物だ! な、なんなんだ!? あ、あれは――!? 大隊長っ! 指示を!」
「ほう。大隊長ね。まぁ、何があろうと知った事じゃないがな。この俺に、投擲武器と銃口を向けたんだ。ただで死ぬるとは思うなよ? 地獄を見せてやるから後悔しながら死ぬことだな」
――さあ、ここからは楽しい楽しいデスマーチパレードの時間だ!
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