第388話

 施設内を歩きながら、敵を殲滅していく。

 そして大蛇を探すが一行に見つけることが出来ずに到着した場所はヘリポート。

 

「これは……」


 転がっている燃え残った人間の死体。

 そして、ヘリの残骸を見て――、


「俺が吹き飛ばした大蛇は、ヘリに追突したのか……。それにしても……」


 俺は視線を周囲に向ける。

 周囲には、人間ではなく屍鬼がうろついており、俺に向かってきていた。

 その数は、100を優に超える。

 

「今度は不死者が相手か。バリエーション豊富だな」


 デザートイーグルの銃口を向けると同時にトリガーを引く。

 レールガンが集まってきていた不死者を吹き飛ばし、肉片と変えていく。


「数が多い――」


 マガジンを装填し直しながら殲滅していくが、予定よりも数が多く、弾が尽きることは必至。

 

「仕方ない――」


 デザートイーグルを腰に差し、地面の上に転がっている警備員からトカレフを拝借し、銃口を不死者へと向けた。




 数分で不死者を殲滅したあと、周囲を探索していると、半壊した巨大な建物が目に入る。

 その大きさは、学校で言う所の体育館ほどもあるが――、


「不死者が、人間を喰っているのか?」


 目視できる場所まで近づいたところで、不死者がどうして俺の方へと来なかったのか? と、言う事を理解した。

 不死者が生者を喰らう。

 そして近くに生者がいるのなら、そちらへ引き付けられるのは必然。

 

「『桂木警視監、そこには生存者はいるのではないのか?』」


 そう署長の声が聞こえてくる。


「たしかにな――。さすがにレールガンだと、跳弾とかで問題か……」


 攻撃を仕掛けてきていない相手なら助ける必要があるだろう。

 俺はショルダーからナイフを外し、半壊した建物内で生きた人間を喰らっていた不死者を次々と屠っていく。


 全ての不死者を殲滅したあと、生きた人間を調べていくが全員が白い服装。


「何かしらの組織に属している連中なのか?」

「『その服装は、六波羅命宗の服装だ』」

「署長は何か知っているのか?」

「『ああ。かなり歴史のある古い宗教団体だ。最近は、新興宗教の創価命宗と繋がっているという噂があったが……、まさか……、そこから犠牲者が出るとは――』」

「ふむ……。つまり集会か何かをしていたということか? だが――、拳銃を持って撃ってくる連中の組織とすると、きな臭くないか?」

「『……そうだな。それでは、こちらから捜査員を何名か送る。銃刀法違反、公務執行妨害、殺人未遂と余罪は有り余るほどあるからな。そこで、桂木警視監は、生存者の護衛をしておいてもらえないか?』」

「護衛と言われてもな……。悪いが、そんな時間はない。知り合いが拉致されているからな」

「君は、民間人を放り投げていくつもりか?」

「放り投げるも何も違法活動していた連中を助ける道理なんてものはないからな。生かしておくだけ感謝して欲しいものだ」


 ナイフをショルダーに留めたあと、念のために周囲を波動結界で調べるが――、


「なるほど……」


 どうりで、大蛇が見つからなかったわけだ。

 地下へと通じる通路があるとはな。




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