第16話 天野さんとショッピングモール2
約一時間ほど並ぶと、ついに俺たちの番が来た。店員に店内に誘導される。
「でっ、何が一体ほしいんだ?」
「それはねぇ」
と天野さんはてくてくと歩いていき、上に限定発売!と書かれたチラシがある衣服棚に着いた。
そこにはかっこいい感じのパーカーだった。有名メーカーの物だと思うがメーカーの名前は忘れた。
天野さんはそれを二枚持ち、レジへと持っていく。そして料金を払い服を袋に入れてもらって店を出る。
「この後どうしよっか?」
天野さんに聞かれ、十秒ほど悩み、時計を見る。時刻はお昼時だ。
「よしご飯食べるか!」
俺は空腹の腹をさすりながら提案した。
俺たちの昼食はぱっと目についたハンバーガーに決定された。
俺たちは自分のハンバーガーを持ち、向かい合って座る。
天野さんはハンバーガーを食べるためにマスクを外すが、一瞬でハンバーガーを持っていないほうの手で口元を隠す。
「抜かりなしだな」
「忘れてたから危ないわ」
と天野さんは口に含んでいるハンバーガーをもぐもぐしながら答える。
俺も手に持っているチーズバーガーを食べ進めていき、一瞬で食べ終わった。
天野さんの手に持っているハンバーガーはまだ半分ほどしか進んでいない。
ハンバーガーを持ちながら一生懸命持っていないほうの手で食べる姿は可愛かった。
天野さんは口に含んでいたハンバーガーを飲み込むとマスクをつけ、俺を見る。
「あの...じろじろ見てくるのマナー違反だと思うんだけど」
「気のせいだよ気のせい。別にじろじろ見てないって。多分」
「多分ってついてるじゃん」
「そう、多分ってつけることによって俺は責任を取らなくて済むという素晴らしい言葉だ」
「いやな言葉ね」
天野さんはそう言うと、もう一回ハンバーガーをぱくりと噛んでハンバーガーを持っていない手で一生懸命隠してるがハンバーガーを食べるたびに白い顎出ている。
思わずどきりとしてしまうが、いたって平静を保つ。
天野さんがハンバーガーを食べ終わると俺と天野さんはハンバーガーのごみを捨てて店外へと出る。
「この後どうする?」
天野さんは聞いてくるが、いったい何をすればいいかわからない。なんせ全然ショッピングモールなるものに行ったことがないのでどこを巡ればいいかとかが全然わからない。
「俺ショッピングモール初心者だからこの後ってどう回ればいいの?」
「ショッピングモール初心者とか初めて聞いたけど... 」
と天野さんが戸惑いの表情を浮かべるが、実際にそうなのだ。
「そういえば後もう一軒回りたいところがあるんだけど、いいかな?」
「いいよ~」
と俺は軽く返事をした
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