第2話眠たい天野さん
窓から太陽が差し込み、俺は目が覚める。
時計を見ると六時三十分を指しており、もう少し寝るか?いやそれとも起きるかという論争が頭の中で行われている。
とりあえず枕元に置いてあったスマホに手を伸ばす。
そしてスマホの電源をつけると昨日のSNSから一件の通知が来ていた。
送り主は天野さんだった。その通知をタップし内容を確認する。
内容は『朝電話かけてくれない?深夜まで多分アニメ見るから起きれない』と午前1時に来た内容だ。ちなみに深夜は2時かららしいからまだ深夜ではない時間だ。
親とかに起こしてもらえばいいのにと少し思いながら天野さんに電話を掛ける。
一分ほど電話のコール音を聞きながらベッドから立ち上がると天野さんが電話に出てくれた。
「眠たいので休んでいいですか先生」
「先生じゃないし休んでもいけません」
「けちですね先生それだから彼女いない歴=年齢なんですよ」
「お?お?今日は毒舌が強い日ですか?あなたも彼氏いない歴=年齢でしょ?」
「違いますー私は一回彼氏がいたことありますー」
と少し煽り口調で話しかけられる
「いついたんだよ」
「十二年ほど前かな」
「幼稚園の頃じゃねーか!」
そんな意味のない会話を繰り広げていると
「そろそろ起きますか~、ありがとね~」
と天野がそう言い通話は切れた。
「俺も行く用意するか」
そう呟き朝の用意をする。
朝、1年A組に入るともう天野さんは着席していた。
早、と少し思ってみるが様子を見ると机に突っ伏していて完全に寝ているる状態だった。
なんとなくちょっとかいを掛けたくなったので、窓側の席の天野さんに駆け寄る。
その背中を少しだけ叩き、話しかける。
すると天野さんは少しだけ顔を起こし、ちょっと睨みつけてくる。その顔にはやっぱりマスクはつけている。
「私、気持ちよく寝てるときに起こしてくる人許せないタイプだわ」
「まじかぁ、ごめんごめん」
俺はなぜか少し満足し、真ん中近くにある席に行こうとしたら思いっきり背中をたたかれた。後ろを振り向くと
「満足」
と言って少し笑った天野さんがまた机に突っ伏した。
俺は席に着き、適当にネットニュースを見る。
そこにはいろいろな内容があった。
【新総理大臣、期待できるのか?】
【今流行りの服はずばりこれ!】
【あなたはモテてる?】
【恋愛話をしてくる女子はあなたのこと好きかも?】
【今期のアニメおすすめ五本】
などといろいろな内容がある。そのままとりあえず今期のアニメおすすめ五本をタップしてこれ見てようかなぁとか思っているとチャイムがなり、黒髪を刈り上げた三十代の担任の先生が入ってくる。
担任がショートホームルームを進めながら半分ほど進んだとき、担任がちらりと窓側の天野さんを見る
「天野はご就寝か」
そう先生が笑いながら言うとクラスの視線が全部天野さんに注がれた。
天野さんはみんなの視線のせいで起きたのか、眠たそうな顔をこすりながら起きてくる。
「あっひゃい起きました!」
と起きた報告を嚙みながら背筋を伸ばし起きる。クラスでは笑いがこぼれた。
だが天野さんは恥ずかしそうにしていた
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