卓球台と少女

夏

第6話「夏服と少女」

　夏、

　季節はかわる。

　照りつける日差しと入道雲、夕立と台風のの季節。

　体がよく動く季節。

「百合、夏服慣れた？」

　瑠璃、白色に紺のセーラーカラー、襟と袖に白いラインの夏の制服。

　カコン！

「軽やか」

　百合、膝下丈から膝上丈に変わったスカートが軽やかに舞う。

　カコン！

「百合、スカート気にならない？」

　瑠璃、スカートの下にあずき色ジャージ仕様中。

　カコン！

「別に！！」

　百合、短パン装備中。

　カコン！！

　トントントントントン。

　球が転がりタオルのかけられた学生カバンにあたる。

　どうせ二人しか居ないけど。

　二人しか居ないからこそ気をつけることはある。

　気を抜くといろんなことが気にならなくなる。

　気を抜くと人からの見た目を気にしなくなる。

　スカートジャージ女はもう末期症状。