第7話「ラムネと少女」

 夏、



 卓球台を目の前に壁を背にして冷たい床に座り込む。


 窓も扉も全開、風が通り抜ける。


 太陽は真上にあって体育館は日陰。



「開けて」

 百合、ビンラムネの蓋が開けれない。


「百合、こうやって押し込むだけだよ」

 瑠璃、自分のビンラムネが「プシュリ」と音を立てビー玉をおとす。


「知ってる」

 百合、開け方は知ってるけど音がこわいとビンを瑠璃に。


「フッ、知ってる」

 瑠璃、百合のラムネを「プシュリ」と開けて笑う。



 ラムネの香りが風にのる。


 炭酸が喉に痛い。


 ビンについた水滴が「ぽとり」とスカートに落ちた。

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