第8話「プールと少女」

 夏、



 金網が取り囲む場所。


 目の前にキラキラ光るプール。


 セーラー服の少女は立ったまま金網に体重を預ける。



「百合、国ってすごいね」

 瑠璃、二人しか生徒がいなくてもプールはちゃんとある。


「教育の平等って大切らしいよ」

 百合、金網を背にずり落ちる。

 

「でもプールっている?」

 瑠璃、暑さにしゃがみこむ。


「掃除がなければ……」

 百合、プール掃除は大変だった。



 ここは回りが全て海の小さな島。


 泳ぐならTシャツに短パン。


 金網にかけたタオルが風に揺れる。

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