第9話「海と少女」

 夏、



 朽ちかけた防波堤、テトラポッドが砂に埋もれる。


 誰もいない浜辺、制服少女二人。


 とてもとても長い竿。


 遠くへ遠くへ針を飛ばす。



「サメ、釣れたらどうしよう?」

 百合、遠くの浮きを眺めて妄想にふける。


「サメ釣れたらカマボコにすすれば良いよ百合」

 瑠璃、カロリー狙う派。


「……フカヒレ」

 百合、高級志向。


「百合、サメは釣れないよ」

 瑠璃、そもそもサメが釣れる仕掛けでは無い。



 バケツのなかにハゼが二匹。


 二匹とも百合。


 荷物持ちは瑠璃。


 料理はどちらがする?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る