第10話「花火と少女」

 夏、



 勝手知ったる分校、二人の少女。


 天には星。


 百合は髪を結い上げ白地に金魚の浴衣。


 瑠璃は湯上がりの洗い髪を乾かしつつ瑠璃色のTシャツとデニム。


 手には花火とバケツ。



「百合、ロケットは危ないから禁止ね」

 瑠璃、百合の持って来たロケット花火を取り上げる。


「一番盛り上がるのに?」

 百合、かなり気にくわないご様子。


「打ち合いしなければね」

 瑠璃、去年の夏ひどい目にあった。


「一番盛り上がるのに??」

 百合、二回言ってもダメなものはダメ。



 グラウンドの花火が天に火のシャワーを吐く。


 花火のリボンが新体操の様に舞う。


 打ち上げ花火に火をつける、意外と大きな花を咲かせた。


 最後に線香花火。


 瑠璃はずっと落とさない。


 百合は直ぐに落として天を見上げる。



 花火なんかよりずっと綺麗。





※花火はマナーを守って安全にしましょう。

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