第11話「半袖と少女」

 秋、



 海の水が暖かい。


 まだ夏服で行ける教室。


 でも何時かは長袖。


 タイミングが難しい。



「冬の制服要らない」

 百合、今しか見ない少女。


「春に冬服だったの思い出して百合」

 瑠璃、さすがに冬は寒いですよと伝える。


「内地なら衣替えかな」

 百合、机の下でスカートをバタつかせる。


「内地ならちょうどなんじゃない?」

 瑠璃、セラーカラーに指をかけこもった熱を逃がす。



 季節と見た目の釣り合いを考えなければ秋のあいだ夏服でもいける島。


 教室には去年の冬からしまってないストーブがある。



 季節感が無茶苦茶だ。

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