第14話「焼き芋と少女」

 秋、



 食欲の秋。


 家庭科調理室に飢えたハイエナが二匹。


 甘いお芋は少女を狼へと変えた。



「百合、百八十度でいい?」

 瑠璃、オーブンにさつま芋を二つ入れる。


「うん、一時間」

 百合、レンジでも作れるけどオーブンの方が好み。


「いっぱいとれたね百合」

 瑠璃、分校花壇で作ったお芋は大収穫だった。


「さつま芋チョロい」

 百合、図書室で本を熟読した結果。



 ピピッ、ピピッ、ピピッ、



 瑠璃のミトン手グラブがアルミホイルに包まれた焼き芋を取り出す。


 うまく出来たかはまだわからない。


 顔を見合わす二人。


 瑠璃がアルミホイルごと二つに折った。


 甘い香り立ち込める。


 百合はミルクパンでミルクを暖める。


 ホットミルクで焼き芋をいただく。



 幸せな時間、秋の時間。

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