第26話 第1村人発見
熊を引きずりながら歩く。
最初に聞こえた様な気がした声?音?は、もう聞こえてこない。
きっと、この足跡の人達が発したものだったんだろう、、、
あ、気配探知にかかるものあり!!
「(カレン、この先に何かいる。たぶん、人だと思う。)」
「(! ようやくね、、、でも、このまま向かって良いと思う?
言葉は通じるかしら、、、? 何より、私達怪しくない??
森から突然現れた、熊を引きずる少年少女って、、、)」
「(どうしよう、、、熊、おいてく? 勿体ないから置いて行きたくない
よね、、、雪の上引きずって来たから、冷やされて鮮度抜群だし!)」
「(う~ん、、、)」
「(そもそも、森から来る時点で怪しいから、熊は有っても無くても
変わらない気がする。 森から来た理由があるのが一番良いんだけど、
この辺りの事情が何も分からないからなぁ、、、
何故森に出ちゃったのか、、、)」
「(迷った事にしましょうか、、、 他に言いようがないわ。)」
「(ん、分かった。後は流れで、、、 熊は持っていこう。)」
敵意が無い事を分かってもらう様に、とにかくゆっくり姿を晒して
人がいるであろう辺りに歩いて行く。
おお~、これは街だろうか??
大きな木造の門があり、左右に木造の壁が続いている。
所々、木の板や柱で作ったと思われる、格子状の部分もある壁で
街の内外を見る事が出来る様になっている。
魔物の被害や、人同士の争い事とは無縁な場所っぽいね。
気配探知にかかっていたのは、大きな木の門の前にいる衛兵だろうか?
槍を持った人が佇んでいる。
あ、俺達に気が付いたみたい。とりあえず、手でも挙げて応えておこう。
「お~い、お~い、ちょっと止まってくれ~~。」
おじさん?おじいさん?が、えっさえっさといった感じで雪の中をやってくる。
どうやら言葉は大丈夫みたい。カレンと頷きあい、ほっとする。
「こんな雪が積もった森の中から一体全体どうなっとるんじゃ?
しかもそれはアームベアじゃろ?? いったいどうやって、、、???」
「なんか迷っちゃったみたいで、、、コレは、途中で襲われたので仕方なく?」
「は? 迷った? 迷わずの森で??」
「そう、迷いの森d え? 迷わずの森??」
「え?」
「え?」
「「・・・・・・・・」」
「迷わずの森??」
「そう、ここは迷わずの森。神様の加護が掛かってんのか、迷いそうになると
どこからか声だったり、川の音だったり、とにかく出口の方に導いてくれる
音が聞こえたりする、我々にとって恵みをもたらす大事な森じゃ。
それを知らずに森の方から現れる、お前さん方は何もんだ??」
ちょ、そんな森ってあり? 森って迷う物なんじゃ、、、
あの時聞いた声のようなものも、もしかして森の加護だったのか、、、
「話せば長いような、、、 何か突然森の中に放り出されまして、、、
魔法で突然移動させられたのでしょうか??
この辺の事もさっぱり分からない次第で、、、」
カレンが何とか誤魔化そうとする、、、
「はぁ?? 突然? 森の中に? 魔法で? 何御伽噺みてえな事言っとんだ!
とはいえ、、、 その恰好! お前さん方寒くねえのか? それに熊!
仕方なく倒しただと?? いったいどうやって??」
「いや、こう、プスっと、、、」
「いや、プスっとって、、、熊だぞ熊!! それに何でそのまま持ってこれるんだ??」
「まぁ、身体強化で? おかげで寒さもしのげますし、、、
突然の雪の森だったので、そうでもしないと凍え死んじゃいますし!」
「お前さん方、身体強化が使えるのか!? 何処かの貴族かなんかなのか??」
「いや、普通の平民ですけど、、、?」
「んん~~、何なんじゃお前さん方は、、、とりあえず、ここじゃ何じゃから
村ん中へ来い。 少し暖まりながら話しを聞かせてくれや、、、」
ここ、村なんだ。 かなり立派な村だな、、、元の世界の俺達の街の家と同じ位
しっかりした作りの家々が立ち並んでるよ?
「この熊どうします? いります??」
「いや、そいつはお前さん方の獲物じゃろ、、、 そんな立派な獲物貰えんわ、、、」
仕方なく、熊をズリズリ引きずりながら衛兵さん?について行く。
引きずりっぱなしでスマンな、熊。
「門をくぐった所にわし等の詰め所があるんで、その前にでも置いといてくれ、、、」
「わかりましt」
「お~い、お~い! ニコラウスさん、助けてくれ~~!!」
な、な、何事!? 森の方から走ってくる人が、、、
「アームベア、アームベアが出た!! 俺に助けを呼ばせる為、ラルの奴が
残ってるんだ!! って、うわあああ、アームベア!?」
「あ、死んでるんで大丈夫ですよ。 どうされました??」
「えっ、あ、ああ。 え?君たちは、、、? いや、そんな事より!
ハァハァ、、ラルと二人で狩りに入ったんだけど、運悪くアームベアに
出くわしちまったんだよ!! 二人じゃどうしようも無いから、ラルは
俺に助けを呼べと、、、 あいつ、まだ残ってるんです。ニコラウスさん、
至急救助隊を!!」
「分かった! 急いで人を集めねばならん。すまんがあんた方はここで
待っとってくれるk」
「あ、俺達行きましょうか? プスっといっときます?」
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