第22話 始まり

激しい振動は収まったようだ、、、 いったい何だったんだ??

ギルドの中も混乱してる。色々な物が落ちて散乱してる。



「カ、カレン、大丈夫だった?」


「ええ、こっちは大丈夫。アレンは怪我とかしてない?大丈夫?

 慌てて動いて怪我をする人もいるから、みんな大丈夫かしら、、、」



あ、あれ?カレンは全然平気そうだ。どうしてそんな冷静なの???

俺、めっちゃ怖かったのに!!



「とにかく、一旦ピエールさんのお店に戻りましょう。

 お母さんが心配だわ、、、」


「う、うん、分かった、、、」



急いでピエールさんのお店に向かう。王都中も混乱してるみたい、、、



「カレン、さっきのアレが何か知ってるの? 魔物が襲ってきたとかでは

 無さそうだけど、何か言ってたよね?」


「ああ、こっちで同じ様な現象があるのか分からないし、同じ様に呼ばれてるか

 も分からないんだけど、(元の世界では【地震】と呼ばれる自然現象よ。)」



カレンが小声で教えてくれた。聞いたことが無い言葉だ、、、

俺とカレンが生まれてから、少なくとも同じ現象が起きた記憶は無いな、、、



「私の記憶だと、こっちで同じ現象が起きた記憶は無いから、よっぽど珍しいか、

 もしくは無い世界なんだと思う。(元の世界だと、たまにある位ね。)」



ピエールさんのお店の被害はほぼ無かった様だ。ポーション類はケースに

入っていたし、魔法道具が少し床に落ちた位なのかな。



「ピエールさん、大丈夫でしたか?? 母さんも大丈夫??」


「おお、アレン君にカレンちゃんも無事でしたか! こっちは問題ありません。」


「こちらは大丈夫よ。二人も怪我は無かった?? 突然の衝撃で驚いたけど、

 いったい何があったの?? 外にいたあなた達は、何が起きたか分かる?」


「いや、俺達も何が起きたか分からないよ。何か大変な事が起きた!と思って

 急いで戻って来たんだ。」


「(やっぱり、こっちでは【地震】はほぼ無かった現象みたいね、、、)」


「(うん、どうやらそうみたい、、、母さん達も何が起きたか分かってない

 みたいだしね。何故、突然そんな現象が起きたんだろう、、、?)」


「とにかく何事も無かったみたいで良かった、、、母さん、契約作業の方は

 進んだの?」


「ええ、ピエールさんにリストをお渡しして、何を揃えて頂くかを詰めて

 いた所よ。 あとは、揃えて頂いた材料の品質の確認ね。」


「先ほどの事で、王都が混乱しているかもしれませんので、もしかすると

 材料を揃えるのに少し時間が掛かるかもしれません。 倉庫のストックで

 賄えればよいのですが、品質の面で難しいかもしれませんね、、、」


「でしたら、そのストック分の材料の品質を確認させてもらいつつ、当初の

 予定通りの材料が到着するのを待つことにしましょうか。」



多少の混乱はありそうだけど、契約の方は順調にすすみそう。

滞在は少し伸びるかもしれないけどね。



「今日はここまでにしておきましょうか。」


「はい、そう致しましょう。ピエールさん、明日もお願い致しますね。」



俺達はピエールさんのお店をあとにし、母さんを宿に送り届けた。

その後、ギルドに再び顔を出してみるも、特に何の情報もありはせず、

結局、何故カレンが【地震】と呼んでいた現象が起きたのかは分からなかった。



「お母さん、今まで今日みたいに大地が揺れる様な事って無かったの?」



カレンが母さんに話しを聞いている、、、



「そうねぇ、、、今まで生きてきた中で、少なくとも今日の様な事は経験

 した事が無いわ。 とんでもなく凄い魔物が襲ってきたのかと思ったわ。

 そんな事は無かったのよね?」


「うん、お母さん安心して。ギルドでも確認してきたけど、魔物が

 襲ってきた事実は無かったそうよ。」



そんな二人の会話を聞きながら、俺は眠りに落ちる、、、

今日はあちこち行く羽目になって、だいぶ疲れたからね。




~~~~~~~~・~~~~~~~~・~~~~~~~~・~~~~~~~~




『          ・・・・アレン・ブラットフォート   』



ん?



『聞こえていますか、アレン・ブラットフォート。いま、あなたの脳内に

 語りかけています。』



んん?? アドミニス様!?



『危機を迎えていた並行世界が消滅しました。』

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