第21話 王都へ
今日は王都に来ています。
ピエールさんとの契約を締結すべく、お店を訪ねるところ。
今はお昼も近くなってきたので、王都南広場をうろうろ。
広場周辺は商業地区の様で、飲食店はもちろんの事、様々な種類の
お店があるし、広場のあちこちに屋台なんかが出てる。
「アレン、お母さん、あっちにも美味しそうな屋台があるわ!」
カレンのテンションがMAXです、、、
前回王都を訪れたのは【発現の儀】の時。初めての王都訪問だったけど、
目的が目的だったし、その上あんな結果だった事もあり、王都見学どころじゃ
無かったもんね、、、
料理に関してこだわりのあるカレン。そりゃ、屋台とはいえこれだけ様々な
種類の料理を見ると興奮が抑えられないみたい。母さんも苦笑してるよ?
あ、ここの串焼き美味しそう、、、凄く良いにおいが漂ってくる、、、
そろそろ何食べるか決めようか、カレン、、、
結局、小麦粉を使って焼いた薄い生地を、更に真ん中を割いて袋状にした
ところに肉や野菜を詰め込んだ料理と、温かいスープを買って食べる事に。
屋台の前のイスとテーブルを借りてお昼ご飯を楽しんだ。
「さて、それではピエールさんのお店に行ってみましょう。
必要な素材のリストを渡したら、そこから揃えられる物やその品質確認、
揃えられない物をどうするかとか、契約までに確認しなくちゃならない事が
沢山あるわ。 たぶん、数日掛かりになると思う。」
「じゃぁ、俺達は最初の挨拶が終わったら、王都の武器・防具屋とか、
もしくはギルドに顔を出してみるよ。 夜になったら宿屋で次の日の
予定を教えてね。」
「二人が強いのは十分知ってるけど、気を付けるのよ?」
そんな事を話していると、あっという間にお店に着いたみたい。
~~~~~~~~・~~~~~~~~・~~~~~~~~・~~~~~~~~
ピエールさんは小さな商店なんて言ってたけど、とても立派なお店だった。
確かに間口は小さいかもしれないけど、建ててからの時間は感じるが
それでいて古めかしく無く、手入れもきちんと行き届いた美しい建物。
そんな素敵なお店の中は、ポーション何かの消耗品や魔法道具が並んでいる。
武器や防具は扱ってないみたいだね。
この辺にあるのはランプの魔法道具。そしてこっちはコンロの魔法道具。
いや、言いたい事は分かる。でも、違う違う。そうじゃない。
外なら何でもいいんだ、確かに。 でも、洞窟や部屋の様な密閉空間じゃ
普通の火は使えないんだ! 煙も出るし、何より死んじゃうみたい。
でも、魔法道具から出る火は魔素から直接作られる火なので安全なんだって。
なので、こういった魔法道具が冒険者に必要とされるのだ!
こっちは何だろう、、、 ほうほう、夜営する時なんかに周りの警戒を
補助してくれる魔法道具とな。 お、これはマジックバッグだ。
やばい、楽しい、、、なんか色々あって俺も欲しい!
でも、今日は母さんがピエールさんと契約する為に来たんだから、
今回は我慢だ、、、
「ナタリアさん、アレン君、カレンちゃん、ようこそおいで下さいました。
そして、改めてありがとうございました。 こうして商売が出来るのも
命あってこそ。本当に助かりました。」
「ピエールさん、お忙しい中お時間を取って頂きありがとうございます。
この間の事は、そんなに気になさらないで下さい。」
俺達も挨拶を済ませ、ピエールさんと母さんは契約の為の確認作業に移った。
「それでは、私たちは王都のギルドにでも顔を出してきますね。
アレン、いつまで見てるの? さ、行くわよ!」
くぅ、もっとお店の中を見てたかった、、、
「ピエールさん、また今度お邪魔した時にでも、魔法道具を買わせて
頂きますね!」
「ははは、ありがとう。アレン君なら、こっちも出来るだけ
勉強させてもらうよ。」
やった!次に来たの時の楽しみが出来た~。
気分よくピエールさんのお店を後にし、王都のギルドにやってきた。
あれ、思ったほど大きくないな、、、
と、思ったら、ここは王都のギルドの南支部だそうな。
王都は広いので、ここ南支部と北支部、そしてこの国の全てのギルドを管理する
中央ギルドに分かれてるんだって。
確かに、これだけ広いのにギルド一つじゃ凄く混み合いそうだしね~。
さて、ギルドに来てはみたものの、討伐関係はたいしたものが無い。
「そりゃ~、王都の近くに上位冒険者じゃないと倒せない様な魔物がいたら
一大事だぜ、坊主。」
そう言われ、そりゃそうだと納得、、、
大半は、この前のカイトさんみたいに護衛の任務に就くのが多いみたいね。
「う~ん、カレン、どうしようか、、、 討伐系はほとんど無いよ、、、」
「困ったわねぇ。護衛には行けないし、、、 あら?」
「ん??」
カタカタカタカタ、、、、、、、、、、
ドンッ!ガガガガガガタガタガタガタガタ!!!!!!
「ええ?? 地震!?」
「うわあああああ、何なになに???魔物の攻撃!?!!?」
その時、王都を、世界を、その全てを振動が襲った。
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