2章 成長
第9話 二人の成長
俺、アレン・ブラットフォート12歳。今、カレンと共に薬草採取に来ています。
本日は街の東に広がる【静寂の森】。訓練と、うちのお店で出しているポーションの
材料取りを兼ねてるよ!
「この辺まで来ると、結構薬草もあるね!」
「ふふ、間違って雑草を摘んでいかなくて済みそうね、アレン?」
「!? も、もう間違わないよ!! あ、あれは薬草採取始めたばっかりの
頃の話しでしょ!?」
「ホントにぃ?(笑) 今でも怪しい時あるわよね? 薬草を前にして、ちょっと
考えてる時があるわよ、、、?」
「うっ、、、」
はい、薬草の見分けは苦手です、、、
アレンです。薬草をたくさん採取して、意気揚々と帰ったとです。
全部雑草でした、、、 アレンです、アレンです、アレンです、、、、
「アレン、ぼぉっとしてないで働く働く! その辺は全部薬草だから、
一株残して摘んじゃってね!」
「う、うん、分かった」
これ以上恥を晒されたくないからね、、、言われた通りに薬草を摘んでは、
ポイポイマジックバッグに放り込んでいく。これって便利だよね!
うちの雑貨店で所有してる1つを借りてきているけど、冒険するなら
俺も欲しいなぁ、、、
「うん、この辺のはもういいかな、、、 だいぶ採れたわね。お昼を食べたら、
午後はもう少し奥に移動してみましょうか。」
「りょうか~い。準備するから、カレン、水出してー。 はい、ありがと。」
カレンに出してもらった水で手を洗い、手早くお昼を準備する。
今日は母さんの作ってくれたサンドイッチと、根菜を煮込んだスープだよ!
入れておけば、いつでも暖かいスープが飲めるんだから、ホント便利だね
マジックバッグ!
「う~ん、おかあさんの料理はホント美味しいわね。二人で旅を始めたら、
自分たちで作らなきゃならない時もあるわよね、きっと、、、
料理の知識はあるのよ?ホント冗談じゃなく。 でも、それを作る為の
道具がねぇ、、、 違い過ぎて。工夫しないとダメよね、、、
オーブンレンジに圧力鍋、フードプロセッサー、、魔法じゃ無理よね、、」
カレンが訳の分からない事を言ってます。ま、俺は料理出来ないから、
一から母さんに習わないとなんだけどね。
「道具も問題だけど、素材も問題ね。鮮度に関しては、マジックバッグがあれば
解決するけど、お肉、お肉は、、、、」
「はは、そっちは俺に任せてよ! 解体するのもだいぶ慣れてきたよ?
大きなイノシシやシカになると、まだ時間掛かるしミスる事もあるけど、
鳥やウサギなら上手くなったでしょ? カレンは解体苦手みたいだけど、
あっちではどうやって料理してたの?」
「そうね、、、あっちではね、普通の人が狩りをしたり、狩った動物を
解体したりする事はまず無いの。 解体されて、料理に使いやすい様に
切り分けされた状態で売られているのよ。」
「へぇ、すごい世界なんだねぇ。そんな感じにしちゃったら、お肉なんて
すぐダメになっちゃうんじゃないの? マジックバッグにでも入れてあるの?」
「ふふ、あっちに魔法は無いのよ?(笑) 魔法じゃないけど、物を冷たく
冷やしてくれる冷蔵庫っていう大きな道具があるの。冷やしておけば、
悪くなるのも防げるでしょう? 更に、凍らせて長期保存も出来るのよ?」
カレンは時々あちらの話しをしてくれる。こっちの世界とは全然違う生活の
話しを聞くと、驚きとワクワクと混乱があってとても楽しいのだ。
魔法は使えなかったみたいだけど、とても便利そうな世界d
「 ! (カレン!!)」
「 (何か来た・・・?)」
「(北東方面、、、200メル先位、、、ゴブリンっぽいのが3匹かな、、、)」
「(分かった。 風下の北側から、敵の後ろに回り込みましょう。 行くわよ!)」
俺達がいた開けた広場に荷物を残したまま、静かに、でも急いで北側に
移動を開始する。敵は、俺達が広場にいた事も、北側に移動しているのも
分かってない感じだね。
いた・・・・ 大きな木に隠れながら、カレンにストップの合図を出す。
敵はゴブリンが3匹。たいした敵じゃない。俺たちがいた広場に向かってる。
「(ゴブリンが広場に着いたら、カレンの魔法で始めよう。それと同時に
俺も突っ込む。それでいいかい?)」
「(了解、アレンの準備が出来たら合図を頂戴。)」
俺は体内の魔力を活性化させる。魔力が体内を巡る、、、
うん、身体強化は大丈夫。
敵は約30メル先の広場に入る、、、よし、今だ!
俺はカレンに目配せして頷く。
「ウィンドカッター!」
カレンの魔法が発動すると同時に、ゴブリンとの距離を詰める。
身体強化された俺の移動速度なら、30メルの距離なら一瞬だ!
カレンのウィンドカッターが、並んで進んでいたゴブリン2匹の首を一気に刎ねる!
ギョっとする残りのゴブリン1匹、慌てて周りを見渡すが、残念!俺は目の前だ!
唖然とした表情のまま、残ったゴブリンも倒れる。
「ふぅ、討伐完了! 荷物はと、、、うん、大丈夫、汚れてない。」
ゴブリンを倒した剣を拭きながら周りを見渡す。荷物も大丈夫だし、
ゴブリンの仲間もいなそうだ、、、 討伐証明用に、ナイフでゴブリンの耳を
そぎ落とす。帰ったらギルドに寄ろう。
能力の発現から2年、だいぶ強くなったように思う。なってるよね?
最初は自分の能力が把握できず、力が使えなかったり、逆に力に
振り回されたり、、、そこを乗り越えて、二人で戦える様になってきたんだ。
どんな訓練をしたのか? 聞きたい? 聞く? 聞く? 聞いちゃう?
というか、ちょっと聞いて!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます