第8話 はじまりの時

ゆっくり目を開けると、急速に視界に色が戻ってくる。



「祈りの間、、、だよね、、、? も、戻ってきた?」


「アレン、、、あれで良かったの、、? もしかしたら、死んじゃう

 かもしれないんだよ?」


「はは、それはカレンだって同じでしょ? カレンこそ、怖くないの?」


「私は、、、全てを思い出したのが昨日でしょ? やると決めてから、

 時間が経った気がしないんだよね、、、 だから、正直実感が薄いというか。

 私にしか出来ないなら、私がやるしかないじゃない、、、みたいな。

 だからかな、アレンの事巻き込みたくなかったけど、アレンが私の事を

 手伝うって言ってくれた時、ちょっとほっとしたんだ、、、」


「・・・・・・・・・・・・・・」


「ありがとね、アレン。」


「へへっ、だって俺達双子の兄妹でしょ。楽しい事も、大変な事も

 やるなら二人一緒さ!」


「ふふ、カッコつけちゃって、子供のくせに(笑) ホントに10歳なの?(笑)」


「酷いなぁ(笑) せっかくカッコつけたのに! カレンのこころは大人でも

 俺たち兄妹だからね? 俺が兄だからね?」


「はいはい、わかったわ(笑) 頼りにしてます、アレンお兄さん(笑)」




~~~~~~~~・~~~~~~~~・~~~~~~~~・~~~~~~~~




「でも、戦う事になっちゃったら、カレンの足を引っ張っちゃうね。

 俺も何か戦う方法を考えなくちゃダメだね、、、 何がいいんだろう、、、」


「?」


「カレンみたいな魔法の能力は無いから、やっぱり剣とかかなぁ?

 でも、敵に魔法を使われたら敵わないよねぇ、きっと。 う~ん、、、」


「アレン、あなたにも戦う力はあったでしょう??」


「え!? 【トラベラー】って、戦いにも使える能力なの!? 凄い能力だね!」


「いや、、、そうじゃなくて。アレンの能力を見た時に、色々表示されてた

 でしょう?」


「え、、、? え? ホントに? 【トラベラー】しか見えてなかった、、、」



カレン、そんな眼で見ないで、、、

色々あり過ぎて、全然気が付いてなかったんだよ。

か、確認しないとね、、、、 どれどれ



 [表示能力]

  トラベラー


 [非表示能力]

  クリエイター

  ホーリーヒール

  ドレイン

  精密魔力制御

  魔力量増大

  刀剣術

  スキル:パワースラッシュ

  スキル:ホーリーブレード

  スキル:マインドクラッシュ



ほ、ホントだ、、、何か能力が一杯あった、、、これに気が付かない俺って、、、



「ご、ゴメン、なんか一杯あるね。この[表示]と[非表示]ってなんだろう?」


「たぶんだけど、儀式の間で発現した能力の確認をされたでしょう?

 その時に確認用の道具に出てた能力が[表示]の方で、発現してても能力の

 表示が出なかったのが、書いてある通りの[非表示]の方なんじゃないかな?」


「なんでわざわざそんな区別するんだろ? 能力が使えないわけじゃ

 ないんだよね?」


「普通の人は、発現する能力は1つ位みたいよ? それが、2つどころじゃなく、

 こんなに表示されちゃったら、なんか大変な事になりそうじゃない?」


「そんな理由なんだ、、、 じゃぁ、4つの能力が発現したカレンって、かなり

 やばいんじゃないの?? そりゃ神官さんも慌てて何処かに行っちゃうよね(笑)

 すっごい速かったよ?今思い出すと、結構笑っちゃうよね(笑)」


「たしかに、4つの能力の発現は普通では無いんだろうけど、読めないアレンの

 能力よりはまだましよ! この世界に普通にある能力ではないから、きっと

 読めない様になっていたんじゃないのかな、、? ウィンドウで確認した今なら、

 アレンも読めるでしょ?」


「うん、今は読める様になったね。

 これ、板じゃなくてウィンドウって言うんだ?なんかカッコいいね!

 そうだねぇ、、、何かで能力を確認された時、読めないのはやばいよね、、、

 う~ん、なんとかならないかな、、、、、 あ、これ変えられそう!」


「何々、あ、ホントだ!変えられそうね、、、 何がいいんだろう、、、?

 ホーリーヒールは、、、回復魔法? う~ん、、、なかなか凄い魔法っぽいけど、

 この中ならまだましなのかしら、、、 これに変えてみる、、、?」



 [表示能力]

  ホーリーヒール


 [非表示能力]

  トラベラー

  クリエイター

  ドレイン

  精密魔力制御

  魔力量増大

  刀剣術

  スキル:パワースラッシュ

  スキル:ホーリーブレード

  スキル:マインドクラッシュ



「これならなんとか大丈夫になったかな、、、? 戦う力もあったみたいだし!」


「そう、ね、、。これなら大丈夫、、かな。 でも、これからは能力の全てを

 発揮できる様に訓練しなくちゃね。」


「訓練かぁ、、、しなきゃダメなんだろうけど、世界を救いに行かないとなのに、

 そんな余裕あるのかな? いつ、その並行世界ってのに行かなきゃならないの?」


「15の歳を迎えたらって、アドミニス様が言ってたわ。私たちはまだ子供だから、

 能力の全てが発揮されると、体が壊れちゃうみたい、、、だから、体が成長する

 15歳を待たないとダメみたい。それまでは、、、訓練ね?」


「ん、分かった。あと5年だね。5年で強くならないとなんだね。うん、俺、頑張る

 一杯頑張るよ! 帰ったら、二人で特訓だね!」




  図らずも、世界を救う使命を背負ったアレン・ブラットフォート。

  アレンとカレンの戦いの幕が、、、上がるのはもう少し先であった。(てへ)


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20220213 見やすさ改善

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