第6話 秘密の共有2

「うん、やっぱり触れていると見えるのね、、、」



いつの間にか横にいたカレンがそう呟く。

半透明な板を覗いてため息をついている、、、 ええ?? なんかダメっぽい?



「こ、これがトラベラーなの? この半透明な奴、、、これで何か出来るの??」



カレンは半透明な板を見ながら、何かうんうん唸って考え込んでいる。

あ、なんか板を触ってる!? え、これ透けてるのに触れるの???

そぉっと、恐る恐る板に触れてみる、、、あ、何か触れる!

あ、なんか文章増えた!?


何々、、、トラベラーは並行世界を行き来する力。 、、、何?

混乱する俺、、、書かれている事が全く分からない!

俺ってバカだったのか、、、、



「あ! ア、アレン、大丈夫、大丈夫だから落ち着いて?」



混乱して泣きそうになっている俺に気が付いたのか、カレンが俺を慰める、、、



「アレンに発現した能力を見せてもらって、ようやく何が起きたかが見えてきたわ。

 ねえアレン、私のも見える?」



そう言って、カレンの前に現れた半透明の板を見せてくれた。



 [表示能力]

  マスターファイア

  マスターウィンド

  マスターウォーター

  マスターアース


 [非表示能力]

  プロキシー

  刀剣術

  スキル:ブレードダンス

  スキル:ショックウェーブ

  スキル:ウェポンブレイク



うん、神殿で言われていた能力が書いてある。



「うん、俺にも見えるよ。カレンに発現した4つの能力が書いてあるね、、、」



カレンが俺から離れる。



「あ、あれ? 消えた、、、」



そしてまた、カレンが俺に触れる、、、



「あ、見える、、、 何なの? 何なのこれ???」


「アレン、落ち着いて? アレンの能力の事を話す前に、私の事を話さなきゃ

 ならないみたい。 驚くかもしれないけど、落ち着いて聞いてね?」



カレンが俺の手を握りながら話し掛けてくる。

何? 何の話し? 勇者、やっぱり勇者なの???



「アレン、私はね、この世界の住人ではないの。いや、今はこの世界の住人

 だけど、、、 私は、女神アドミニスによって違う世界からこの世界に

 連れてこられた魂が転生したものなの。」



・・・・・・・・・・・・? 何言ってんのこの人? 魂? 転生? ???


『電波を受信している』そんな言葉が心に浮かんだ、、、、どういう意味?



「何か失礼な事考えてない? いい?よく聞いて?

 女神アドミニスは、世界が崩壊する危機を迎えている事に気が付き、

 崩壊する世界を救う為に、わざわざ別の世界の私を呼んだの。

 その為の力を私に授けて、この世界に生まれる様にして、、、

 10の歳を迎える時、その授けた能力が発現すると言っていたわ。

 そうして、能力が発現すると同時に、全ての記憶を取り戻し、私という

 存在がどういったものなのか、全て思い出したの。」


「え、じゃぁ、カレンは?? カレン・ブラットフォートはどうなったの!!??」


「落ち着いて? 大丈夫、私はカレン・ブラットフォート。ただ、前世の記憶?

 を持ってるだけなのよ。あなたの双子の妹なのに変わりはないわ。」


「そう、なの、、、? なんか雰囲気変わった気がするけど、、、」


「そうね、、、前世の記憶を思い出したから、体は10歳だけど、心は

 もっと年上ね、、、。だから変わった様に感じるのかもね、、、ゴメンね?」


「・・・・・・・・・・・・・・・」


「それでね、ここからが核心に迫る話しなんだけど、、、

 さっき、女神アドミニスの力によって、この世界に生まれる様にされた

 話しをしたけど、そこが問題なの。」


「・・・・・・・・・・・・・・・」


「私たち、双子で生まれちゃったよね、、、? どうやら、世界を救う為の力、

 私とアレンでバラバラに受け継いじゃったみたい、、、

 トラベラーは、世界を救う為の力なのよ。」


「な、なんだってぇぇええええええ!!?!???」



頭の中に、【ΩΩΩ<】こんな記号が浮かんだ、、、 ナニコレ?


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20220213 見やすさ改善

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