第5話 秘密の共有1

「カ、カレン、、、それ、、それはなに、、、???」



あ、あれ? 消えた?? 見間違い? もしかして、俺の目、おかしく

なっちゃった??? 何回も攻撃されたもんね、、、

やっぱり、俺の目のHPはゼロなのね、、、

カレンも気が付いてないみたいだったし、俺の目がおかしくなっちゃったんだ。



「ア、アレンはどんな能力が発現したの・・・?」



凄い能力が発現したカレンが、おっかなびっくり聞いてくる。

凄い能力の妹に対して、兄の俺ときたら、、、 読めもしない能力なんて、

なんだか涙が出そうだ、、、 ガンバレ、俺!



「う、うん、何か読めないんだよね、俺の能力、、、、」



混乱や落ち込みを見せるんじゃない! ガンバレ、ガンバレ俺!

凄い能力が発現したからか、体調が悪そうなカレンが俺の能力を

確認する為に、よろよろとやってきてくれた。



「ト、トラベラー、、、、ここにあったのね、、、、」



え? え? え???? これ、カレンは読めるの!? 一緒に勉強してたのに!

いつこんな言葉?を読める様になってたの? これ、何語???

発現した能力だけじゃなく、学力すら劣る兄、、、、ゴメン、泣きそうだ、、、

それに、なんかこの能力の事知ってそう??? どこまで優秀なんだよ、、、



「、、、、、、、アレン」



凄い能力が発現すると、雰囲気まで変わっちゃうの!?

なんか大人っぽくなってるんだけど???? もう、泣いていいよね?



「アレン、宿に戻ったら少し練習に付き合ってくれる、、、?」



ええ!? もう練習を始めるの!? あんなに体調が悪そうだったのに!?

ああ、もう完敗、、、完敗だよ。我が妹ながら凄すぎる、、、

俺が店を継いで、妹の冒険者人生を支えよう、、、きっと妹は人類の宝なのだ!



「カレン、体は大丈夫なの? 顔色、凄く悪かったよ? 凄い能力が発現

 したから、疲れちゃったんじゃないの?」


「ありがとう、アレン。たぶん、大丈夫。」



キリっとした表情、、、なんかもう、勇者の使命にでも目覚めちゃったかの様に

凛々しいね? うん、そうだ、、、勇者の実家は雑貨店! 店をつぶさない様、

帰ったら母さんに弟子入りしなきゃ! そして、妹に協力しなくちゃね?

うんうん、俺にも出来る事があるよ、、、ガンバレ、ガンバレ俺!




~~~~~~~~・~~~~~~~~・~~~~~~~~・~~~~~~~~




「じゃぁ、ちょっと練習に付き合ってね?」



宿に戻って一息つく間もなく、カレンが俺をせかす。



「父さん母さん、ちょっと宿の裏庭を借りて、俺達が何が出来る様になったか

 確認してくるよ。」



無理せず気を付けるのよという声を背に、二人で裏庭に向かった。

何をするんだろう? まずは、魔法の練習かな? 俺はどの程度魔法を

使える様になったんだろう?



「アレン、まずはここに座って、話しを聞いてくれる?」



裏庭の隅っこにある、丸太を切っただけの様な椅子?に腰掛ける。

まずは何をするかを話し合うのかな? 急に大きな火が出ちゃったら危ないしね!



「アレン、落ち着いて聞いてね。」



カレンが真剣な眼差しで俺をみている。だ、大丈夫。俺は落ち着いてるよ。



「アレン、あなたの能力【トラベラー】について、知ってる事を教えるわ。」



な、なんだと!? やっぱり妹は知っているのか、、、なんたる博識!

一緒に勉強してたのに、、、



「まずは心を落ち着けて、心の中で【ACD】って念じてみて?声は出さなくて

 いいよ。」



ふぅ、、言われた通りにやってみよう。 まずは目を瞑って心をおちつけて、、、

A・・・C・・・D・・・と、、、、

うん、特に何もなってない気がする、、、トラベラーって何なんだろう?

目を開けて、自分に何か変わった所があるか確かめようとした時



「んな!????」



神殿で見た、妹の目の前に浮いていた謎の半透明の板!!

やっぱり気のせいじゃ無かったんだ! 俺の目、大丈夫だったよ!!!

大丈夫だった俺の目で、目の前の半透明の板をじっくり見てみる。



 [表示能力]

  トラベラー


 [非表示能力]

  クリエイター

  ホーリーヒール

  ドレイン

  精密魔力制御

  魔力量増大

  刀剣術

  スキル:パワースラッシュ

  スキル:ホーリーブレード

  スキル:マインドクラッシュ



よ、読める、読めるよ!!! そして、なんじゃこりゃあああああ!?!???



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20211226 能力表示を修正しました。

20220213 見やすさ改善

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