第2話 藤島カレン
「はぁ、、、、、」
藤島カレンは、本日何度目か分からないため息をついた。
1つ1つは小さな嫌がらせなのだ。でも、それが毎日毎日、何回も何回も続くと
いくら強メンタルだと自負するカレンでも、本当に嫌になってくる。
ため息の一つも出るというものだ。1回じゃ全然済んでないけど!
子供の頃からの夢である、一流の料理人になること! それを目指し、
優秀な成績だったにも関わらず、進学せずに料理人の道を目指している。
そこまでは良かったが、何が気に入らないのか、周りがコソっと足を引っ張る。
引っ張りまくるのだ!
作業の繊細さもさることながら、どうしてそのような工程が必要なのか?
といった事に対する理解度の高さ、また、更により良きものにする為の発想力が
抜きんでていた。 それに対する師匠の評価も自然と高くなる。
多分に嫉妬もあるのだろう、、、嫌がらせを受けない日はないのだ。
休憩になると、一人屋上で気持ちを落ち着かせるのが日課になっていた。
「はぁ、、、、そろそろ限界だよ、、、、」
「全員ぶっ飛ばしてから出頭しようかな、、、、」
自殺など考えない強メンタル! 死ぬくらいなら全員ぶっ飛ばす事を考えるのが
藤島カレンである!
「師匠に迷惑掛けちゃうから、やっぱりソレはダメだよなぁ、、、はぁ、、、」
「何で毎日毎日飽きもせず、物を隠したり砂糖と塩を入れ替えたり、、
見れば分かるから対処できるけど、こう毎日毎日やられるとイライラがとまらn
『 ケテ 』
「はっ!?」
辺りを見回す・・・・誰もいない。 いないよね???
しばらくキョロキョロ見回すも、やっぱり誰もいないようだ。
ほっとするカレン。いくら強メンタルとはいえ、屋上で一人ぶつぶつ何か独り言を
呟いている様な姿を他人に見られたら、二十歳の乙女には大ダメージだ。
『 タスケテ・・・・ 』
冷汗が止まらない、、、何か聞こえた。何か聞こえたよぉおお!???
ギギギっと、音がしそうな位のぎこちなさで、カレンは辺りを再度見回した。
やっぱり誰もいないよぉお!? 何、霊なの? 霊に取りつかれちゃったの???
「いくら嫌がらせがエスカレートしていくとは言っても、霊を取りつかせるとか
あまりにも酷いでしょ! 霊よ、霊! 何、私しぬn
『 オチツイテ? 』
「これが落ち着いていられますか!! 霊よ、霊! 私、死ぬかもしれないんd
『 いいから話しを聞きなさい!! 』
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
轟音と共に真っ白な光に包まれたカレンは意識を失った。
そこには、真っ白な雷光に打たれたカレンが横たわっていた、、、、
~~~~~~~~・~~~~~~~~・~~~~~~~~・~~~~~~~~
『起きて下さい、、起きて下さい、藤島カレン。』
『ん、んん、、、 はっ!?』
驚いたカレンが辺りを見回す。そこは、暗くも無く、だからと言って明るい
わけでも無い、何とも名状しがたい色の無い空間だった。
『聞こえていますか?藤島カレン。今、あなたの脳内に話しかけています。
脳、無いけど。』
『は!?!? 脳内に話しかける!? 脳が無い!? 何言ってr
慌てて自分の体を見る。うん、見ようとしたんだと思う。何だろう、
うん、、、何も無いね?
『はぁあああ!?!????』
『落ち着いて、藤島カレン。あなたに助けて貰いたくて、あなたの魂を私の
創ったシステムに呼び寄せたの。』
声も出ないカレン。たぶん、口パクパクしてるよね?見えないけど。
『今、私の創ったシステムが崩壊の危機に瀕しています。
ドウシテコウナッタ、、、 それをあなたに救って欲しいのです。』
『魂、、、? 呼び寄せた、、、? 何、やっぱり私、霊に取りつかれてしんd
『私の創ったシステム外の別のシステムに住むあなたなら、メンタルすんごく強い
あなたなら、きっとこの危機も救えるはずなのよ。』
『何、私、そんなに悪いことした? 霊に殺されるほど恨まれてたの? ひどすぎr
『私の力が直接届かない地で問題が起こっている様です。あなたに力を授けます。
その力を使って、問題を解決して下さい。お願い、このままではたくさんの
生命が失われてしまうわ、、、』
『そしてそろそろ落ち着いて? 私の話しを聞いて?』
『何なの!?マイペース過ぎでしょ! 人の事殺しておいて、何なのあなた!!』
『私はあどみにしゅ・・・・・・
『私はアドミニス。 女神アドミニスと呼ばれるものよ。』
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