1章 発現

第1話 発現の儀

第3霊界ガブリエル



「なんでえええええぇぇぇえぇっぇぇぇぇ~~~~!!?!??????」



俺、アレン・ブラットフォート17歳。今現在、ジャイアントスイングばりに

振り回され、血で汚れたきったない魔物に叩き付けられ様としている。

俺が武器を叩き付けてるんじゃないよ? 『俺が』叩き付けられそうなんだよ!?



「うそだろぉぉぉぉぉぉおおおお~~~!! ぎゃあああああぁ」



ぶっ飛ぶ魔物、ぶっ飛びそうな俺の意識、、、 

何でこんな事になってるんだよ、、、


俺は妹と共に、神の願いを受けてあっち行ったりこっち行ったりしてる人。

うん、何言ってるか分からない? 今はそんな事どうでもいいの!!


俺達は、第3霊界ガブリエルの並行世界の一つに移動したんだ。

え?何言ってんの大丈夫?って、大丈夫じゃないけど大丈夫だよ!!!


移動先の並行世界のオーブを探すはずだったんだけど、移動後に意識を

取り戻したら、急にコレだよ????

恐ろしいモノの片りんを味わうどころじゃないよ!?

そうだね、何でそんな事してんの?って、そう思うよね。俺も思うもん。


それはね、話せば長い、、、ホント長い、ここまで戻ってくるのに

ホント長い長~い話しがあるんだけど、聞いてくれるかな?




~~~~~~~~・~~~~~~~~・~~~~~~~~・~~~~~~~~




第1霊界ミカエル



俺、アレン・ブラットフォート10歳、今、双子の妹カレンと共に【発現の儀】に

望む子供たちの列に並んでます。雑貨店を営む両親に連れられて、ここアドミニス

神殿に来たんだ!

10歳を迎えた子供は、アドミニス神殿の【女神岩】に触れる事で何らかの能力に

目覚め、魔法を使える様になる、、、らしい。


何で、らしい? だって、今からその儀式に向かうんだから、ホントの事なんて

何も分からないよね! そうでしょう?ホントは俺をだましt



「アレン、何ぼおっとしてるの? 前進んでるんだから早くこっちに来て!」


「ごめんカレン、ちょっと考え事を、、、 どんな能力に目覚めるかな??

 なんか緊張してきたよ、、、。」


「私はおかあさんの仕事を手伝える様に、クリエイト系の能力がいいなぁ。」



俺達の母のナタリアは、優れたポーションを作れるクリエイターだ。うちの雑貨店の

看板商品である!



「俺はやっぱり魔物をガンガン倒せる能力がいいなぁ。母さんのポーションを

 持って、世界中を旅して魔物を倒すんだ!」



少しの緊張を顔に浮かべながらも、どこか期待に満ちて順番を待っている二人。

前の方では、儀式の終わった子供とその両親だろうか?笑顔を浮かべて会話して

いる。その横に、真っ白で丸い物体が見える。あれが【女神岩】なんだろう、、、



「さ、俺達の番だ。カレン、先に行っていいよ。」


「いいの? うん、じゃぁ行ってくる!」


少し躊躇するカレンの背中を優しく押してやる。係りの神官に促され、カレンが

【女神岩】に触れた時にそれは起こった。



 !!!!!!!!!



 【女神岩】から激しい光が放たれる!



「目が目がぁぁぁあ、、チカチカする、、、 カレン、っ大丈夫?????」



呆然とするカレンの横の神官も呆然としていた。が、発現した能力を確認した

神官は更に驚愕した表情を浮かべた。



「よ、四つの属性全てのマスタークラスの発現!!???」



 マスターファイア

 マスターウィンド

 マスターウォーター

 マスターアース



通常、発現する能力は1つなのだ。この世界の人々は、火をつける・水を出す等の

魔法なら、10歳を超えれば誰でも使える。そこから、属性の能力を発現した者は

攻撃や防御に使える強力な魔法を使える様になるのだ。しかも、それがマスター

クラスになるという事は、どれ程強力な魔法が使えるか、、、


ざわつく神殿内、助手の神官さんは奥の方にすっ飛んで行ったよ、、、

固まるカレンと神官をよそに、儀式が進まないのでアレンは勝手に【女神岩】に

触れた。



 !!!!!!!!!


 またもや放たれる激しい光!!



「ぎゃあああ、俺の目のHPはゼロよ!」



混乱し、訳の分からない事を口走るアレン。どこでそんな言葉覚えたんだ!?


ざわめきの中、よろよろしながら神官が確認にやってくる。なんとか物が見える様に

なったアレンも、神官と一緒に発現した能力を確認した。



「「 は??? 」」



 %@#@$



よ、読めないんですけど!? ナニコレ!????


混乱し、カレンに助けを求める。と、凄い能力が発現したはずのカレンが

真っ青な顔をして佇んでいた。今にも倒れそうに震えている。 慌てる俺。



「カ、カレン、大丈夫!??」



倒れそうなカレンを支えようと体に触れた時、カレンの目の前に浮かぶ半透明の板が

目に飛び込んできた!!!

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