3章 月のうみ

ここまで、ここから

 六腕三眼、鬼の神(りくわんさんがん、おにのかみ)。

 これは、オーガの神である、鬼神(きしん)のお話です。


 1章は、『力』のルーンを授かった赤猿が、1人けんかの旅をして、「巨人の王の王」となるまでのお話。

 2章では、その赤猿が家族を持って『鬼神』を名乗り、国王となる。そして空飛ぶ生きものの誕生を見届けるお話。


 ここから、すなわち、3章は、家出をした鬼神のお話です。


 譲位をした鬼神。ご隠居なるかと思いきや、なんと! 家を出てしもた。

 あにはからんや暴れ神、ふたたび、さすらいの御身分だ。


 お伴(おとも)は空飛ぶ一族きっての勇士、ガンメタリック・かぶとがに。

 2人でこの世を歩き、めぐり、あちらでドラゴン、こちらで幻と、けんかをする。

 やがては、この世ならぬ宮殿に、たどり着くこととはあいなるのだ。


 ・・・あ、もひとつ言うておきますと、この章は鬼神の浮気のお話でもある。

 妻を放っぽり出して、美しい女に惑わされよった。まったく、どうしようもないやつじゃ。


 それでは、お話しいたしましょう。3章、「月のうみ」。

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