とある少女の目線で語られる物語。
視点移動が巧みで、所々のギミックなども細かく、すべてを読み終えた後にガラリと世界が変わって驚きました。
主人公の溜息の理由や言葉の意味……最後まで読むとそういうことか!と辻褄があってスッキリしました。
確かに篁さんは名探偵ではありません。
しかし名探偵では絶対にできないことで救いを生みます。
タイトルの意味も物語を読み進めるうちに判明し、後半の台詞とも相まって響きました。
法で裁けぬ悪を裁くお話や隠されている悪を暴くお話が好きな方には大変好まれるストーリーだと思います。
ホラー要素もありますが、心霊的な恐怖よりも生きている人間の恐ろしさのほうがしっかり描かれ、その上でホラーが見せ場として明確に表現されているのが素晴らしい塩梅でした。
この巧みな視線誘導の仕方は是非読んで経験して頂きたいです。