お前もブレインの使用権を求めて 07
”本題”を告げられてから翌日の昼。クガツは呆けた顔で学園内で昼休みを過ごしていた。
「なにアホ面晒してんだよ!」
「んああ!?」
ボウズ頭の少年がクガツの頭頂にチョップを当てる。
「寝てたわ」
「目開けたまま寝るやつが居るかよ! それよりもさ、あっち」
ボウズの指差すのは廊下の方。廊下の先の窓だ。クガツは重々しく腰を上げ、窓の外へと視線を移した。
晴天の下に生徒らが群れている様子がある。群れが2列。その中心に、少人数の生徒らが周囲へ朗らかな笑顔で手を振っている。
「遠征生徒会だぜ! 帰ってきたんだ!」
「遠征?」
「知らないのかよ生徒会遠征!」
クガツは緩んだ頬でだらしなく口を開け、ボウズの解説に耳を向ける。
「成績上位者や、技術的な貢献を企業に納めている生徒、あるいは高い戦闘能力がある人員は、ユニオンムー中央にある『
「は、はあ」
いや、それは知っている。クガツはアホ面を晒したままで脳裏に思考を巡らせていた。
(ユニオン・ムーの大陸内に落ちた大型隕石……人工衛星等で観測できず、突如そこに自然発生し、そこへ墜落したかのような正体不明の隕石だ。アレが墜落してから世界に
呆けた面をしながらクガツは眉にシワを寄せる。
「なあ。生徒会選挙って半年に1回で、そこで
「んあ? そうだっけ詳しいな。でもそういうふうに聞いたことあるような……。半年間は
「だとしたら、何か急に帰還するような用事でもできたとか?」
クガツはボウズにそう問う様に言うも、頬をつまむようにして大きく息を吸う。対してボウズは答える。
「そんなのオレに言われても分かんねえよバカだし!」
「それもそうだな!」
「どういう意味だコラ!」
ボウズの戯れ付くような逆襲をハハハと乾いた作り笑いをしながらクガツはいなす。
その最中、クガツの端末に鋭くバイブレーションが伝わった。
「ちょっとごめんよ」
「女か?」
「オレが女と喋ってるところ見たことある?」
「インキャだもんなお前!」
「うっせ」
端末には、至急屋上に来いという簡素な文のみ。送り主は不明。
それでも、クガツには嫌な予感がしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます