episode5.0 〜転んだ!? 〜
なんとか序盤は順調にいった。
主人公の少年が、無くなった映像研究部を復活させて映画を撮るという流れに沿って、セリフよりも流れ、他には作品内で登場する物語を重点的に考えた。
映画の流れとして次に撮りたいのは、先生たちと交渉して部活を復活させるために署名を集めるというものだ。
あわよくば、本当に部活を復活させたいところではある。
主人公の少年が周りの人に頼んで先生と交渉したり、以前にも似たような事例が無かったか調べたりした。
実際には、先生に部活再興を申請し先生会議をした後、生徒会の承認をとると言った工程で話が進んでいった。
もちろんそれらのシーン全てをスマホを駆使して撮影した。所々カメラを使ったが、スマホで撮ることで気が向けば誰でも撮影してくれるような仕組みにしたかったのだ。
そうこうしているうちに冬休みとなった。
え?テストは大丈夫だったのかだって? そんなものは一夜漬けで乗り切った。
冬休み全部を使って、映画内で使われる物語の原案と簡単な絵コンテを描いていた。
実際に映像研(仮)として立ち上がり、チャットグループもできた。
ここの文章わかりにくい。
ここ面白いね。
あ、ここ誤字ってるよ。
お腹すいた〜。
そんな会話をしながら原作も絵コンテも完成間際になり、三学期開始を3日後に控えていた。
一学期はあってなかったようなものだった分、三学期というような感じはしないけど…
その時だった。一件の通知が胸をぎゅっと締め付けるようだった。
再び理由の分からない自粛期間が始まってしまった。
ホームページを見る限り特筆されていいることはなく、自宅学習と週三回のオンライン授業の実施、その予定表だけ書かれていた。
少なくとも一ヶ月は登校不可のようだ。
「あ…終わった」
一ヶ月前の活気が嘘のように、自分もクラスメイトも気が滅入っていたように思う。
ただなんとなくで参加していたような人たちは音沙汰なく、少しでも楽しんでくれていた人達、一緒になって絵コンテを考えてくれた人ですら映画のことを話題に出さなかった。最後のチャットは、お腹すいた〜の21日前のものだった。
一度味わった甘さを取り上げられるほど酷いものはない。
…どうしてこうなるんだろう。
あくる日。22時をまわった頃だっただろうか。
友人1号から短い文章が送られてきた。
”明日の朝学校に来い”と
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます