第四章

 ミッドウェー島は、真国とハワイの間に位置する島である。

 おおまかに言えば、ハワイまでの航路の三分の二ほどを進めば、ミッドウェー島だと思えばよい。

 アホウドリばかりが住んでいるこの島は、真国とハワイの間に位置するその戦略上の意味から、航空機の給油地として大きな役割を持っていた。

 この島を制圧することができれば、それを足がかりにして米太平洋艦隊司令部のあるハワイを制圧することも夢物語ではない。

 故に、開戦前からミッドウェー攻略は幾度も検討されており、米国を屈服させる決定的な一撃として、秋頃を期しての攻略作戦が想定されていたことは事実である。

 が、本土空襲の衝撃は作戦を前倒しすることを余儀なくする。戦略ではなく、政治的な事情である。

 ミッドウェー上陸は6月7日と定まり、急ごしらえの艦隊はミッドウェーへと向かうこととなった。

 その中に、神谷新八郎と伽藍人形部隊の姿もある。

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