第5話交信は危険なの

『慣れたと思ったんだけどなぁー、ヤマトったら急に限界が来るんだもん。驚いちゃった』


「ああ、うんうん。僕ももう脳が焼き切れて一周回ったらしく、筑波にある秘密研究所でプラズマ波動クラスタの研究でノーベル賞を取ってしまったよ。でも残念ながらタイムプラズマではまだ未来にしか飛べないんだ」


『あきら? 今度はSF? SFなの? 異世界並に次元の壁を越えようとしてない? 気のせい?』


「幼馴染の恋人が親友と異世界転生したことよりはあり得るから問題ないよ」


『それもそうだね。いま部屋?』


「そうだよ。ゆかりが交信してくるのは僕が寝る直前だよ。ゆかりたちがいなくなってしばらく外にも出れず引きこもっていたけど、色々あって色々吹っ切れたから……。むしろ今は外に出っ放しだよ。ありがとう、結果的に」


『ううん、私の方こそ……えっ、なに、ヤマト? えっ? もう限界? 出ちゃう?』


「出ちゃう言うてますがな」


『ああ、うん。ごめんね、あきら。ヤマトがもう……んっつ、限界……ちょっと、いまあきらと話してるんだから……激し、くしな……あっッツ!』


「……おーい。色々と限界じゃないか? 大丈夫か、色々と。あれ? ああ、切れたか。寝よ寝よ」







『……ごめんね、あきら。寝ちゃった?』


「いや、起きてるよ。寝る前にあんなことがあると寝れないよ」


『そうなんだ? 私もごめんね、さっきはちょっと興奮しちゃって』


「興奮とか言ってますやん」


『魔力が溢れてちょっといまも垂れ流しなんだけど、暴発後だから、ヤマトも……はぁはぁ、もっと保つと、思うの……はぁはぁ』


「はぁはぁ、言うてますやん!」


『交信は危険だから……んっ、気を抜くと魔力を放っちゃうから……大変なことに、なるの……そのギリギリで、アッ、私もヤマトも。アッツ!? 高まっちゃう!』


「これはギャグなの? それともただの暴走?」


『あきら……』


「なに、幼馴染で恋人のゆかり」


『ごめん、ね……?』


「うわぁー、この交信は凄いね。いまのごめんね、に万感の想いというか、色々とイケナイあれこれがこめられてる実感がするよ」


『……ンッツ!? ごめ、んなさい。もう少し保つと思ったけど私がもう限界……。交信は危険だよ。うん、ヤマト……、もうイコ?』


「その、イコ? いよいよダメなやつじゃない?」


『うん、そうなんだ……アッ、交信は危険だから……もうイク、ね?』


「繰り返さなくていいから」


『あっ!? もうダメ!! ヤマトぉぉおおおおおおおおおおおおお』


「なぜヤマトの名を呼ぶ!?」


『アアアアアアアアアアア……アッ!』


「ゆかりぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」



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