第3話びっくりさせちゃったね?
『びっくりさせちゃったね?』
「うん、びっくりし過ぎてだんだん前向きになって来たよ。今日は早速、100kmマラソンに挑戦して来たさ」
『それはさすがに私もびっくりだよ。でもあきらが前向きになってくれて良かった』
「今日も寝る前に交信してきたんだね? それに今日はなんだか落ち着いているよね?」
『寝る前の時間なんだ? こちらはまだ昼過ぎだよ。昨日も夜だけど寝るには早い時間だったよ? 交信は……うん、コツを掴んだというか、前回が慣れなくて激しすぎたというか』
「言ってることがすでにアレなのにはどうツッコミを入れたらいい?」
『入れちゃダメよ? もう入らないから』
「どうしてもそっちに持っていきたいのだろうか?」
『そっちって? あ、いま冒険の最中なんだけどヤマトがチート魔法で無双してゴブリンたちが一掃して凄かったんだよ』
「へー、ちゃんと異世界しているんだね」
『うん、定番の剣と魔法の世界。魔道具とかダンジョンとかあって、世界は謎でいっぱいなんだよ! 交信のスキルを使うための魔道具もそのダンジョンで手に入れたんだ』
「ダンジョンで手に入れた魔道具とか使い方すぐにわかるものなのかい?」
『なんとなくはわかるけど、詳しくは使って見ながらかなぁ〜、だから前回は余裕がなかったけど、いまは……ンッツ、大丈夫』
「時々、入るソレはもうわざとな気さえして来たよ」
『ソレッて?』
「いや、なんでもない。それよりゴブリンを倒した場所なら危険はもうないの? たしか交信は危険だと言ってなかった?」
『そうだね、安全ではないけど……。ゴブリンが典型的な雑魚モンスターであっても、命のやり取りをしたせいでヤマトがとても
「名案! ……みたいに言ってるけど、言葉だけ聞く僕にはとても怪しいアレやコレに聞こえるんだけど……」
『ンッ、ンッ、アッツ……。な、なんだろ? 交信の誤変換、あっ、かなぁ。ほら、こっちとそっちじゃ言葉が違うから……』
「そうだとしたら、とんでもなく悪意のある変換だよね。これを僕らに交信させている神はきっと羽の生えた悪魔みたいなヤツかもしれないよ?」
『悪魔……んっつ、んっ、そうか、も……、心が……堕ちそうになる……。ヤマトも、ごめん、親友なのに……親友の……ああ、ダメだ、溶ける……ゆかりぃって苦しげに』
「それあえて聞かす? 僕にそれ聞かしてどうしたいの? 脳焼くの? 焼けるよ!?」
『慣れたと思ったけど、もう限界みたい……、もうイ……終わるね? またね……アッ、アーーーーーーーーーーーー!!!!』
「ゆかりぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!! またパンパン聞こえてるよ! 聞こえてるよぉぉおおお!!」
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