第2話ゴカイだよ?
『あきら、あきら聞こえる? ごめん、昨日はびっくりさせちゃったね?』
「ほんとだよ、ついゆかりとヤマトがイケナイコトをしているのかと想像したよ」
『うふふ、言葉だけ聞いちゃうとそうだよね。でも、大丈夫。私もヤマトも交信のために全力を尽くしているだ……めぇえええ!』
「ほんとに!? ねえ、ほんとに大丈夫!? 声だけで十分アウトっぽいよ!?」
『はぁはぁ……、ごめん。この交信のスキルはとても危険なんだよ。ヤマトも……んんっ、全力を尽くしてくれてる』
「違う意味で全力尽くしてない!? 違う? そう、そんなに危険なスキルなんだ……」
『うん、そうだよ。このスキルは私もヤマトも闇に堕ちる覚悟で使っているんだ。いまも……ほら、気を抜くと……いっっk!』
「なんかパンパン言ってるんだけど!? この交信って霊現象!? ラップ音が凄いんだけど!?」
『ふーふー、そうかもしれない……。私たちはそちらでは死んでしまったから、魂だけでもあなたと繋がりたいと……アアアアア!』
「直接的な意味で繋がってない!? さすがにわかるよ!? 幼馴染の恋人を寝取られて脳死したくても現状に追いつけないんだけど!」
『寝取られてなんかいない! 私はずっとあきらだけの彼女だよ』
「ゆかり……」
『アァァアアアアン!』
「声がすでに僕の聞いたことのないアレで信じられないよ!?」
『お願い、信じて……、それほどこの交信スキルは危険なの。いまもすごい勢いで体力を消耗している』
「そんなに危険なの?」
『そうだよ……、もっとあきらの声を聞かせて欲しいけど。ああ……、ヤマトがもう限界で果てちゃうって。もっと頑張って!!』
「パンパン聞こえてくるけど!?」
『交信には特有の魔道具が必要なの! その魔道具でリズムを取っている音だよ! それでヤマトを応援してるの! ほら頑張って! もっと! もっとぉぉおおおおお!! あ! もう限界ぃぃいいいいいいい!!!!』
「えぇええ……」
『はぁはぁ……、交信は体力の全てと……色んなものを消費するんだよ……』
「もうアレだよね? ヤッてるよね!?」
『ゴカイ、だよ? ゴカイだからァアアア〜ン!!!!』
「嘘つけェェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!」
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