セリフ 201~300

201.悪を引く

「彼女が太古の悪魔の血を引くものとは知らなかった。でもそんなもの関係ない。血筋なんてどうでもいい。ただ愛していた。好きだった。だから事更に許せないんだ。何の罪もない彼女の人生を奪い,僕の人生を奪った君たちのことが。」


202.逃避行

「『やるしかない』なんて,馬鹿げた根性論だと思いませんか?今,この状況から逃げる方法は幾らでもあります。失踪する,倒れる,骨を折る,死ぬ,それから犯罪者になる。……それを選択肢に入れてしまえる自分が心底恐ろしいと思いますよ。」


203.永遠

「私,今とても幸せよ。壊れるくらい苦しくて,何もかも嫌になるくらい追い詰められてるの。こんなこと,生きていなきゃ味わえないわ。でもどうしてかしら。幸せだからこそ,この瞬間を永遠にしたい。ここで死を選びたいと思うの。そうすれば私は,永遠の幸せを手にすることができるのよ!」


204.プロフェッショナル

「誰に向かって言ってるの?私は潜入のプロよ?望まれるならどんなマゾもサドも演じてあげる。たとえどんなに嫌な相手でもね。それが私の仕事だから。」


205.ひとりぼっち

「みんな,待ってよ!ボクを置いて逝かないで!ボクはまだここにいるよ!ずっとずっと,みんなのことを待ってる!ねぇ,お願い答えてよ!……1人ぼっちは嫌だよぉぉ!」


206.許せない理由

「頭では分かっているわ。彼にも,姉さんを殺さなければならない理由があった。私も同じ立場ならそうするし,それは姉さんもわかっていたはずよ。だけど,どうしても心では許せないの。だって私にとっては,たった1人の家族だから!」


207.童話

「絵本は嘘つきね。苦しみに耐えてもガラスの靴は現れないし,迎えに来てくれる王子様もいないわ。お姫様たちが羨ましい。現実の世界には助けてくれる神様も妖精もいない。みんなみんな,嘘つきなのね。」


208.I need/I want

「求めていないものは沢山手に入るのに,1番欲しいものはどんなに手を伸ばしても届かない。……私は,ただ愛されたいだけだった。そんな風に言ったらあなたは笑うかな。」


209. 卒業

「桜舞う,晴天の日。私はこの場所を卒業する。なんだか,あっという間だったなぁ。沢山の人に出会って,沢山のことを経験して……。大好きな居場所ができた。明日からはまた別の日常が待っている。でも私はたとえこの先,どんな地獄が待っていようと構わない。私は,いまこの瞬間を生きた証を残す。私の思い出が,永遠の輝きを放ちますように。『卒業,おめでとう。』」


210.届かない手紙

「手紙を書いているの。大切な君のために。どれだけ書いても,綴りたい言葉が沢山溢れてくる。それほど,君への思いは特別だった。だけどもう,この言葉が君に届くことはない。だって貴方は……。」


211.交渉

「たとえ,この命を落とすことになったとしても,私は彼に会いに行くわ。どんな条件を飲んだとしても,彼なら確実に私の想いを受け継いでくれる。私にはもう,この手しか残っていない!」


212.劇中劇

「君の瞳に映る俺は,いつだって最低な顔をしている。それで正解なんだ。俺の役は強欲な悪役(ヴィラン)。どんなに非情な手を使っても,君を手に入れられない。だけど,舞台の上では君に触れられる。だから俺は最低な役を演じるよ。俺には,それだけで十分なんだから。」


213.戸惑い

「怖かったのよ!愛されたことなんて無かったから。私は,初めて向けられた感情に,素直に向き合えなかった。喪ってようやく,それが本物の愛だって知ったわ。なのに私は何も伝えられなかった。ごめんなさい,私はあなたを愛していたわ!」


214.さくらさくら

「桜が去年よりも綺麗に見えるって?僕には同じに見えるけどなぁ。あ,桜の木の下に死体が埋まっているのかも,なんてね。そうそう,話は変わるけど,毎日のように君をいじめていた彼女,最近見なくなったね。」


215.漆黒の愛

「まだ迷いがあるわ。本当に貴方の手を取っていいのか,この先一生暗闇の中を過ごす覚悟が私にはあるのかってね。でも,貴方から離れる選択肢なんて私にはないから。たとえこの身体が漆黒に堕ちようと,私は永遠に貴方だけのものだから。」


216.愛しき病魔

「私が侵された恐ろしい病の話をしましょうか。たった一瞬のために全てを犠牲にして,自分の中に他人を作り上げる。自分を見失いそうなほどに他人を知ろうとする。狂ったように,病的なまでに……。これは,演劇という名の熱病が私を染めるまでの物語。」


217.キスマーク

「そう,あの人消されたの。……バカね,真正面から戦おうとするからよ。でもそんなところがあの人の良さ。私は好きだったわ。さようなら,愛しい人。叶うなら,この傷跡が一生モノになりますように。」


218.最低な人

「私の好きな人?そうね,直情的で短気で,偽りだらけで,でも私にだけは素直で。救いようがないのに,私はその狂気にすら惹かれていた。死に際に好きだって言ってきて,返事もさせてくれなかった。……最低な人よ。」


219.罪の上塗り

「知ってる?愛する人との絆を1番強くする方法は,罪を共有することなんだ。その背徳感はやがて,依存に変わっていく。決して逃れられない,まるで呪縛のように。そう,たとえその人がこの世から消え去っても,この胸に残り続ける強固な呪い。私の罪は,罪を犯したことじゃない。その罪を,共有したことが大罪なんだよ。」


220.loser

「悔しい。何が悔しいのかって?あのね,世の中許せない男が多いんですよ。なんで私より細いの?なんで私より女子力高いの?なんで私より顔が綺麗なの?ってめっちゃ思うわけよ。でもね,そーゆー奴をどうしようもなく好きなるんですよ。だからね,なんか負けた気がしてすごく悔しいんですよ。」


221.日常

「あなたの温もりで眠りにつき,あなたの声で目覚める。あなたが淹れた珈琲の香りで始まるいつもの朝。そんな当たり前の日常。この幸せがいつまでも続くのだと,昨日までは,そう思っていた。」


222.最後の着信

「チッ,そういう事かよ。最初からオレを始末するつもりだったんじゃねぇか。……こうなる前に,アイツに言っときゃ良かったな。残り1分。なら,オレにできるのは最後に声聞くくらいだな。」


223.狂思想

「復讐の禁止なんて,馬鹿な話だと思いません?……古代ギリシャの賢人,ソクラテスの思想ですよ。復讐があるから人生劇は最高に面白い。私はその観客なのです。ですから,私から生きがいを奪うなど,それこそ正気の沙汰とは思えないのですがね。」


224.マーメイド

「バーカ!誰がテメェみてぇな胡散臭い女の言うことなんか聞くかよ!アタシは声も髪も譲らねぇ!足なんかなくたってアイツを自分のモノにしてやる!分かったら大好きな水底にでもすっこんでな!ババァに用はねぇんだよ!」


225.夢現

「夢のような時間は,長く続けば続くほど失うのが怖くなる。何度も訪れれば訪れるほどいつか,夢と現実の境目が分からなくなってしまう。でも今は,この時間をただ大切にしたいって,そう思うんだ。」


226.冷たい迷宮

「……分からないよ。私,彼のことを殺したいほど恨んでいるわ。だけど,嫌いになれない。、私からあの人を奪った,誰よりも憎い人のはずなのに,その孤独が,悲哀が痛いほど突き刺さるの。ねぇ,私は何を恨んで,何を憎めばいいの?私から,私自身を奪ったのは誰なの?」


227.bitter taste

「やっぱり苦いよ…。こんなものの何がいいわけ?って何度も思ったし,今でも思ってる。しかも大量に置いていって,どうしろって言うのよ。そう思うのに,今日もまた紫煙を肺腑の奥まで吸い込む。あなたの,面影を探して。」


228.身代わり

「私の所為だ。彼が何の躊躇いもなく人を殺せるようになったのは。任務の時はいつも彼が汚れ仕事をやってくれていた。私の手を汚させないために。それが,あの人の全てを狂わせた。私が,未熟だったから。私が,自分の気持ちを押し殺せるほど強くなかったから!」


229.帰らぬ人

「なんで,なんで助けてくれなかったんだ!お前ほどの力があれば,あの程度の危機,どうとでも回避出来たはず!なのになんで見捨てたんだよ!?あの人を返せ!お前だって知っていただろう!?あの人はあたしの,たった1人の愛する人なんだよ!」


230.禁断の恋

「許されなくてよかった。罪だと分かっていた。それでもただ,あなたに惹かれたんだ。誰の目も届かない遠い異国の地で,誰にも邪魔されずに生きていけたら…。そんな甘い幻想を抱くほどに,この心はあなたを求めていたんだ。」


231.活動写真

「たった2時間のうちの,さらにほんのわずか数分。そこでなら,今もずっとあなたに会える。いつまでも輝いているあなたがそこにいる。変わることのない物語を,永遠に見続けられる。だけど,どうしてかな。変わらないことが,たまらなく苦しく感じるんだ。」


232.身勝手

「大切な人を亡くしたとき,人がとる行動は2つだと思うの。その人の分まで懸命に生きようとするのか,或いは全てに絶望して自棄を孕むのか。どう転んでも,遺された人間の身勝手に過ぎない。だから私は身勝手に生きるの。身勝手に自棄を孕んで,必死に生に執着するの。」


233.Game is mine

「ゲームにはアクシデントが付き物だ。私の行動が,お前には予想外だったんだろ?私は駒にはならない。私を操っているなんて思い上がんじゃねぇ!このゲームは私のものだ!最後に勝つのは私なんだよ!」


234.深層心理-秘匿-

「行動は心理の表れとは限らない。もっと言うなら,行動でその人の全てを読み取ることは出来ない。学べば学ぶほど,人の心が分からなくなるんだ。だからかな,僕は気づくことが出来なかった。僕が愛した人は,5年前の〇〇だったんだ。」


235.少女の記憶

「ただの少女のまま何も知らずに生きていたら,こんな思いせずにすんだのかな。穢れを知らずに,でも家族のことも知らずに生きていくことが私の幸せだったのかな。ねぇ,もしあなたならどうする?もう一度,この命をやり直したいと願う?」


236.バグ

「任せて。このくらいのバグ,秒で直せる。当然でしょ。アタシらはみんな人生っていうバグだらけのゲームの中で生きてんだよ。しかもバックドア作り放題で,勝手にアクセスされまくってる。それに比べたらこんなバグ可愛いもんじゃない。」


237.束縛

「今もずっと,このペンダントを使い続けてる。あなたと一緒に買った,南京錠のペンダント。鍵のブレスレットはあなたが持ってたっけ。閉ざされたままの錠が,まだこの心を縛る。早く迎えに来てよ。この鍵を開けられるのは,あなたしかいないんだよ!」


238.罪悪感

「本当はいけないことなんだけどねぇ。人の道を外れて犯した罪の感覚が,楽しく感じてしまうんだ。罪悪感が快感へと変わっていくなんて。はぁ,僕ももう終わりだな。」


239.涙

「なんだか無性に泣きたくなる夜があるの。何が悲しいんだろう,何が辛いんだろう,何が苦しいんだろう,何が怖いんだろうって考えるけど,何も思い当たらない。ただ急に涙が零れそうになって,でも堪えるの。人知れず流す涙は,きっと自分を壊してしまうから。こんなとき,抱きしめてくれる温もりがあったら,何も気にせずに泣けているのかな。」


240.権力の乱用

「聞け!皇帝直下異能部隊隊長の名において宣言する!此度の大戦への協力を条件に,彼の過去の罪を全て不問とする!……私は,この死の連鎖に終止符を打ちたいの。協力して。まだ私を想ってくれているのなら!」


241.もう1人の私

「あんたは,私のことを〇〇って呼んで。あんただけは,〇〇のことを覚えていて。この世界から消えた存在だったとしても,あんたと出会えたのは〇〇がいたから。その名前は偽物なんかじゃない。もう1人の私の名前だから。」


242.I am me.

「私を押し殺して,誰かの望む私を演じて,でもその誰かには振り向いて貰えなくて…!その度に苦しくなって,辛くなって!!もう限界なの!こんなの私じゃない!私はここにいるの!誰にも望まれなくても,私は,私なの!」


243.協力者

「そう簡単に信じられないことは分かっています。あなた方はこの人が犯した罪を知っている。それは決して許せるものでは無いでしょう。でもその頭脳は必ず,今の私たちの役に立つはずです。この人を信じなくてもいい。憎んだままで,恨んだままでいい。ただ私を信じると思って,この提案を受け入れてくれませんか。」


244.真打登場

「はーい,皆さま朝早くからお仕事ごくろーさまでーす!わたくし,西の帝国から参りました国王秘書武官の〇〇でございます!長引く戦に両国の士気もだだ下がり,これ以上民の犠牲は出したくないと,国王がついに出陣を許可してくださいましたぁ!さぁ皆さま今日を終戦の日といたしましょう!……我が出たからには,貴様らに勝機はない。大人しく降伏するといい。」


245.秘密

「1人暗い部屋で流した涙も,書きなぐった苦しみばかりの日記も,本当はボロボロなこの身体も何もかも。あなたはどうか何も知らないでいて。あなたの目の前では,いつでも笑っていたいから。何も気づかないで。あなたにだけは,こんな私を知られたくないから。」


246.離れ離れのその先で

「本当の家族のように慕ってた人たちだった。今はもう,バラバラになっちゃったけどね。もっとこうしておけばよかったなって思うことは沢山あるけど,悔やんだって仕方ない。だから前を向くよ。また会える日を信じて。今度こそ,握った手を離さないで済むように。」


247.絵空事

「大切な人か,世界かどちらかしか救えない。なんてよくある物語だよね。そんなの絵空事だって思うじゃん。でも今,ボクとキミはその選択を迫られてる。だから,ボクは絵空事みたいなことを願うよ。キミも世界も,両方救ってみせる!」


248.独房

「その日,女は泣いた。決して涙を見せない女だった。2人の護衛が女を部屋に送る。彼らが扉を閉め,立ち去った瞬間だった。女はその場に崩れ落ちて泣いた。外には音の漏れない密室で,大声を上げて泣いた。愛する人たちを守るため,その身を犠牲にしてきた女は,今ようやくその呪縛から開放されたのだ。」


249.美しい

「何の躊躇いもないあなたを見て,背中がゾクゾクした。こんなにも動揺せずにいられるのかと恐怖した。でも同時にひどく美しいと思ってしまった。ははっ,私ももう終わりだな。こんなに血腥いものが美しく見えるなんて。」


250.本音

「だから,優しい人が好きって言ったじゃない。え?ホントのことを言えって?……ふふふっ,よく気づいたねぇ!そう,優しさなんて心底どうでもいい!私は,狂気的で暴力的で美しい人が好きなの!でもそんな人に簡単に出会えるわけがない!私にとって,最高の人は彼だけ!いつまでもあの人を忘れられずにいるのよ!」


251.兄妹

「奴を選んだのはお前の選択だ。俺にとやかく言う筋合いは無い。それに,妹の選択を否定するほど俺は愚かな人間じゃないさ。俺はお前の選択を信じるよ。まぁ,俺にとっては仇みたいなものだ。奴の何がいいのかは分からんがな。」


252.事故

「私が,彼を殺した……?そういうことだよね!?私がこんな夜中に突然会いたいなんて言ったから!優しい彼はすぐに駆けつけようとしてくれた。だけど,その途中で飲酒運転の車と衝突して……。私のせいで彼は事故にあった。私が,私が死なせたようなものじゃない!」


253.同じ思いを秘めて

「大丈夫。進みたい道や目指すべきものは違っても,君たちの中にある思いは変わらないだろう?『みんなを笑顔にする舞台を作りたい』その思いが君たちの中にある限り,いつかきっと同じステージで輝くことが出来る。だから,信じる道を行くんだよ?」


254.グリーンドレス

「一時の美しさを手に入れられるなら,私はこの命を手放しても構わないわ。酔狂だと思う?でもね,昔からそう願う人は沢山いるのよ?グリーンドレス,調べて見るといいわ。身につけたドレスから猛毒に侵されていく,悲しくて美しい女たちの話よ。」


255.偽りの強さ

「本当は強くなんかなくて,どうしようもなく臆病で,1人泣いた夜は幾度もあって…。だけど,これからも強い自分を演じ続けるよ。『強いね』って言ってくれたあなたが大好きだから。あなたが好きな僕でありたいから。」


256.願いを引き継いで

「『他人を蹴落としてでも成り上がる』先輩の願いだったのよ。馬鹿な願いだと思う,愚かだと思うわ。でも,彼の理想は後輩である私が果たす!覚悟は出来てるわよね?だって,彼をあんなふうにしたのはお前たちでしょう?」


257.殉教

「ごめん。馬鹿なことを言ってるのは分かってる。許してとは言わない。でもこれが,私の選んだ道。私は,あの人のために戦うの。そのためなら,この命すら惜しくないのよ。」


258.奔走

「お願い!どんな形でもいいから生きていて!失ったものがあるなら,私がそれの代わりになる!あなたの手足に,あなたの目になるわ!私のことを覚えていなくてもいい!もう一度,好きになってもらうから!だからどうか,どうか生きていて!もう一度,その声を聞かせて!!」


259.向日葵のように

「何もかも捨てて,無責任に生きてみたい。押し付けられた飾りを捨てて,私は自由になるの。あなたと生きるためなら,私は地位も名誉も財産も捨てるわ。そうして手に入れた先で,私はあなただけを見つめるの。」


260.閉じ込めた恋心

「こんな感情,抱いちゃいけないって分かってる。私とあなたではすむ世界が違うから。これからもっと大きな道を進むあなたに,余計な重荷は背負わせちゃいけない。だから,どうかあなたは最高の笑顔で,私とは関係の無い道を行って。」


261.花火と銃声

「花火の音に掻き消された1発の銃声。火花が広がるように,この胸を緋色に染める。あなたと出会ったこの場所で,あなたと見に行った花火の下で,大好きなあなたに撃たれるなら,それも悪くない。ごめんね,そちら側の人間じゃなくて。ありがとう,私を止めてくれて……。」


262.白の教会-東の果てで-

「嬌声と酒の匂い,通りに響く子供の鳴き声,カビたパンに群がる人々。ここは見捨てられた街なんだ。君のような人が来る場所じゃない。僕らはきっとこの街で死んでいく。生まれた意味すら知らないまま,ただ命が尽きるのを待つ。それがこの街に生まれたものの運命なんだ。」


263.たったひとつ

「善人じゃなくていい,聖人君子じゃなくていい,悪人でいい,罪人でいい!誰が何を言おうと,あなたはあなたなんです!私たちを置いて死ぬだなんて許しません!1人で抱え込むのもダメです!…もう二度と,1人にならないでください。それが,私のたったひとつの願いです。」


264.よく笑う子

「兄さんのために,私は笑顔でいなきゃって思ってるんだ。兄さん,自分を押し殺すことに慣れすぎててさ。私たちこんな境遇だし仕方ないかなぁって思うんだけど,私が笑って,兄さんの周りを明るくしてあげたいの。だから笑わなきゃ,笑わなきゃいけないの…。」


265.過去の主従

「あなたはもう私の主ではありません。私にはもう,あなたの命令に従う理由もありません。…だから!あなたが1人死を選ぼうと言うのなら,私は殴ってでも止める!私は私のエゴで,あなたを死なせたりしない!」


266.狂いゆく歯車

「歯車が軋む音が聞こえる。少しづつ少しづつ。やがて歯車は狂い出す。どこで間違えたのだろうか。共に見据えた先にあった未来は,違っていたのか。ねぇ,私は何を正せばいい?何を正せば,元に戻せる?あの頃みたいに,無邪気に笑い合える?」


267.ひとり

「僕はずっと一人だった。だけど今は,大好きな人たちがたくさんいる。だからね,誰にも会わない,誰とも話さない日はもうないんだ。でもみんな,別の人の元へ帰っていく。僕は誰にとっても1番目じゃない。そんな時,僕は1番孤独を感じるんだ。一人でいた時には分からなかった。これが本当の独りなのかもしれない。」


268.罪と罰

「私のやろうとしていることは,多分正しくない。間違っていることは分かっている。正しさを求め,そのために自分を犠牲にしてきたあなたにとって,私の行為は裏切りかもしれない。でもこれで,あなたを救うことが出来るのなら,私はどんな重い罰を受けたとしても,この罪に手を染める。これが,私の正義だから!」


269.あなたが思うより

「夜が明けたらそこには,血に塗れた罪の跡が残っている。それを見るのが怖くて,苦しくて…。でもあなたがその世界を見ろと,生きろと望むのなら,俺は決して目を背けたりしない。ねぇ,知ってますか?あなたが思うよりもずっと,あなたの命令は俺にとって絶対なんです。だから俺は,この罪を背負って生きていきます。それがあなたの,最後の願いだったから。」


270.目覚め

「毎朝目が覚めると,あなたたちがいない現実に引き戻される。夢の中なら何度でも会えるのに,その腕を掴むことは叶わない。あの日を境にバラバラになって,どこにいるのか,何をしているのかも分からない。生きているのか,死んでいるのかさえ。それでも時間は無常に過ぎていくから,また今日も1人,空虚な部屋で朝を迎える。」


271.空に消えた言葉

「私ね,アンタが帰ってきたら何を言おうかずっと迷ってた。目的を履き違えて,孤独を選んだ気になっていたアンタを,どう罵ってやろうかって考えてた。……でも,いざアンタを目の前にすると何にも言えないよ。おかえり,アンタの居場所はここしかないでしょ?」


272.涙が乾く頃に

「駄目だなぁ,もう泣かないって決めたのに。泣きながら撃つのは,あの時が最後って決めてたのに。この涙が止まったら,私とあんたは奪う者と奪われる者に変わる。このままずっと,泣いてていいかな。そしたら誰かが,変わりに終わらせてくれるかな。…でも,他の誰かになんて渡したくない。だって!あんたは永遠に私のものだからッ!」


273.嫌われ役

「評価すること,それはとても怖いことかもしれない。世界はどう足掻いても,優劣をつけたがってしまうから。だが,嫌われてもいい,時代に合わないと言われてもいい。それでも私は,厳しい目を向け続ける。それが本当の一流を作り出せるということを,私は身をもって知っているから。」


274.罪咎

「この暗部の長を引き受けた時点で,安寧に生きられないことぐらい分かっていた。この手を罪に染めても,私が罰を受けることは無い。そういう定めだからな。それでも咎は付きまとう。だから私は,償う術のない罪を背負って,守りたいもののためにこの力を振るうと決めた!それが私に残された,たった一つの罪への向き合い方だからだ!」


275.敗因

「お前の敗因は俺を見くびったことじゃねぇ。彼を人質に取ったことだ。お前は俺の力を予想して俺を蹴落とすための作戦を立てた。そこまでは見事だったよ。だがな,彼を使ったのは失敗だ。俺はな,守りたいもののためなら命すら惜しくはねぇんだ。そのためなら,俺は俺を超えていけるんだよ。」


276.中秋の名月

「月が出ていた。山の上に浮かぶ,大きな金色の月。そのハリボテのような景色に,私はただ目を奪われた。あの人も今,同じ景色を見ているだろうか。突然消えてしまった,愛する人。願わくば数年後,『月が綺麗ですね』と言いたい。浮かび上がっていく黄金の輝きに,そっと願いを託したのだった。」


277.特別な日

「あなたが帰ってきてくれて,あたしはすごく嬉しかった。またあの頃みたいな暮らしができるんだって。でもね,ホントはこの空白の2年間,あなたと一緒に過ごしたかった。一緒に泣いて,苦しみを分け合って,一緒に乗り越えていきたかった。あたしは,あの人を喪って,あなたまで奪われることがこれ以上ないくらいに怖かった。……なんて,いつもなら絶対言わないけど,今日だけ特別だからね。」


278.ライセンス

「殺しのライセンス?あぁ,持ってますよ。そういう仕事ですからね。けどだからって,任務で対象を殺さなきゃいけない決まりはないんです。逆に言えば生かす選択が,生きて償わせるという選択が出来る。私はこの仕事に誇りを持っていますよ。無駄な死を出さずにすむ。この世界を,変えていけるってね。」


279.桜のなり損ない

「なんで諦めようとしてんだよッ…!アンタが俺に言ったんだろ!『無様でいい,死ぬ気で生き残れ』って!なのにそのアンタが『潔く散る』とか,ふざけたこと言ってんじゃねぇ!俺はアンタのせいで死ぬのが怖くなった。その責任を果たすまで,勝手に死ぬとか許さねぇからな!」


280.任務-指令-

「無茶なことを言ってる自覚はあるんだ。こんな戦場で,敵を倒すために生きてる彼らに向かって『絶対に死ぬな』なんて。特攻ならクリアできる任務も,この命令が邪魔してることも分かってる。それでも彼らは私の大切な仲間だから。その命の重さは,一般市民と変わらないから。私は,部下を捨て駒にするような指揮官にはなりたくない。なんて,私のエゴなのかなぁ。」


281.任務-遂行-

「ああいうこと言うから,ついて行きたくなるんすよね。あの人は自分の価値を分かってない。俺らが仕事でも何でもなく,あの人だからついて行ってるってこと知らないんすよ。あの人は誰よりも俺らのことを考えてくれてる。俺は別に知って欲しいとは思いませんよ。あの人が自分のエゴだって言うんならそれでもいいです。だからまぁ,そのエゴを支えたいって思うのは,俺の我儘なんですよね。」


282.芸術家

「この作品を創りあげることが出来るのなら,私はこの先二度と作品を作れなくてもいい!いや,その場で死んだっていい!命をかけてでも,何を犠牲にしてでも創り上げたい作品が,いまこの胸の中にあるんだ!」


283.闇夜の誘惑

「この夜がずっと続けばいいと思った。そうすれば何も考えずにすむ。あの時何も出来なかった自分を責めることも,行く先に不安を抱えて生きることもない。ただ手招く闇の向こうでずっとずっと,閉じ込めて離さないで欲しかった。」


284.進み続けること

「悔しくて,悔しくて,悔しくて!どんなにもがいても,届かないこともわかってた!それでも必死に努力した!そうしなければ,自分が壊れそうだったから!もう後戻りはできない。私は,進み続けることでしか自分の存在意義を見いだせないの!」


285.ヒーロー

「私は,彼にとってのヒーローでありたいんです。彼は弱さや涙を見せることを忘れてしまった人。いや,そうせざるを得なかった人。だから私だけは,その苦しみに寄り添いたい。彼が私だけを頼ってくれるのなら,私はめいいっぱいの優しさで応えてあげたい。」


286.シュレディンガーの猫

「全てがデータによって管理されるこの社会。そのデータから抜け落ちた僕は,言わば世界から認識されない存在。死んではいないが生きてもいない。まるでかの有名な猫のようだ。存在を証明できない猫は,一体何を思うんだろうね。」


287.半壊

「俺がやってたことには,何の意味もなかったんです。だからもう,何もかもどうでもよかった。何度も自分を壊そうとした。他人を壊そうとした。誰かが壊してくれるのを待った。でも,人間って簡単に全部壊れないんです。中途半端に壊れるから,1番嫌いなんです。」


289.模範的

「そうですか。余程模範的で素晴らしい人生を送ってきたんですね。死にたくなるほどの焦燥や苦痛,殺したくなるほどの憎悪や嫉妬。それらとは無縁に生きてきたのでしょう。何も本気で殺すなんて言っていませんよ。ただ,こんな感情たちに比べたら,悪口を言うなんて可愛らしいものだ。私はそう思いますがね。」


290.テセウスの船

「私はずっとこれを使い続けるよ。だって,彼がくれたもので唯一形が残ってるのはこれだけだから。壊れる度に直して,いつかテセウスの船になる日まで。その思い出も全部,彼がくれたものだから。」


291.相反する思い

「俺はあいつを救いたい。孤独の中をさまよっていた俺を救ってくれたのはあいつだ。そのためなら何だってやってやる。けれど,あいつはそんなことを望んではくれない。1人,犠牲になる道を選んだ。俺はあいつを救いたい。…………救えない。」


292.Don't leave me please.

「離れることでしか守れない。こんな俺を,許してなんて言わない。俺はあんたから沢山のものを貰った。信頼すること,必要とされること,俺に教えてくれたのはあんただ。……さようなら。俺,あなたに会えて良かったです。」


293.共依存

「私たちの間に恋愛感情など存在しない。ただ,絶大な信頼を寄せる相棒であり,依存にも似た情を互いに抱いている。相手を救えるのは自分だけ。だからこそ,命を賭して戦うことが出来る。それだけが,己の存在意義なんだ。」


294.泣き虫の理由

「あの人は,泣けない人だから。強くなるために必死で自分を押し殺して,自分を偽造(つく)って,涙なんてもう何年も見てない。だけど本当は誰よりも苦しくて泣きたいはずなんだ。だからあたしが代わりに沢山泣いてあげるの。泣いて,泣いて,泣いて…。いつか,あの人の孤独も救えるかな。」


295.己を救う

「なんで戦うのか?さぁ,なんでだろうね。守りたいものがあるから,かな。月並みで,面白くもなんともない理由。最近わかった気がするよ。誰かを守ることって,たぶん自分を救うことなんだろうなって。」


296.車窓

「心地よい電車の揺れの中,美しい緑を眺めながら私は眠りについた。目覚めて窓の外に目をやると,そこは雪景色に変わっていた。……いや,全然エモくないから。マジで寒いし良いことねぇから。」


297.ダークヒーロー

「昔から,ダークヒーローに憧れていた。なんとなく,自分は正義の味方なんて柄じゃないってわかってた。そんなふうに輝ける人間じゃないって。だからせめて悪役でもいい,ヒーローになりたかった。」


298.炎

「蝋燭の炎が好きだ。真っ暗闇に灯る,小さな揺らめき。その美しさに吸い込まれて,思わず触れそうになる。触れそうになって,手を止める。こんなに美しいのに,触れることは叶わない。そんな炎に,今日も焦がれる。」


299.自称

「傷口に滲む赤い色だけが,私に生きていることを教えてくれる。生きるため,自分を殺してしまわないためのせめてもの抵抗。誰にも知られなくていい。私が,私にしか言えない鋭利な秘密。」


300.プライド

「大っ嫌いな奴に頭を下げるあの人を見て,ハッとした。目的のためなら手段を選ばない。苦しみも悲しみも全部背負って,それでも必死に生きる背中が,ただただかっこよかった。私も負けてられない。こんなとこで躓いていいほど,私はまだ何も成し得ていないんだよ。」

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