ことば。みっつ。しょうせつ

生存戦略

今回の使用単語

「いれる。むすびめ。みつばち」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

　運命の赤い糸、そんな風に人と人との縁が可視化されるとしたら。たとえば、親友のあの子とは黄色い糸、幼なじみのアイツとは青い糸みたいな。面白いけどちょっと怖い。

　もし、途中で結び目ができている糸があったら、それってどういうことなんだろ。途中で切れた糸、あるいは本当は繋がるはずのなかった糸かもしれない。無理矢理繋いだ糸――縁。そんな脆い関係、それでも絶対に手放したくはない。

　今の私は働き者の蜜蜂みたいな、女王の言いなり。それがきっと一番お似合い。女王の傍にいれば少なくとも安全。だから、いいように利用されていればいい。私が私で居れる場所なんてなくても、そこに存在できればそれでいいんだ。生きていられればそれでいい。

　それは結び目だらけの命綱。それに縋りついているしかない。蜘蛛の糸すら垂れてこないあんな地獄、もう絶対に嫌だから。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

山形県鶴岡市付近だそうです。