　今回の使用単語

「はなしあい。ちゅうおう。おひつ」

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　話し合いとは妥協だ。両極端な場所にある意見の中央値を見つけ出して、無理矢理にでも全員の首を縦に振らせる為の手段に過ぎない。どれだけの熱意や理屈を振りかざしても、参加者全員もれなく誰一人の意見も完璧に通ることはない。きっと、そうなんだ。

　僕は今、学級会に参加している。議題は、僕とアイツのどちらが悪いのか。僕たちは昨日喧嘩をした。それはもうひどい殴り合い、クラス全員を巻き込み机や椅子をなぎ倒して、お互いに誰が見ても分かるケガをした。

　その当事者の片割れは今日休んでいて、矢面に立っているのは実質僕だけ。僕の為にクラスの時間が消費されている。担任はこの状況を良いように利用して、クラスの団結力だとか考える力を養わせようと企んでいるらしい。退屈で無意味で早く終わってほしいなと思いながら、校則違反をしてまで持ち込んだスマホにこんな文章を打っている。

　アイツがここにいれば、散々時間を使った挙句、喧嘩両成敗でどっちも悪いという話で終わっていたんだろう。だけど、僕しか当事者がいないこの現実、なんとなく気を遣われ僕に同情票が集まってアイツが悪いという方へ天秤は傾きはじめた。……お前らホントにそれでいいのか？

　僕たちが喧嘩に至った原因、意見の食い違い。朝どのチャンネルの番組を観るのか。僕は６チャンネル、アイツは８チャンネル。それを知らないで、逃げたようにも見えるからってアイツを悪者にしてもいいのか？　僕はアイツに謝ろうと思っていたのに。

　だって、昨日は６チャンネルの星座占いでおひつじ座は１位だったのに、今日は８チャンネルで１位だったから。

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　新潟県小千谷市付近だそうです。