第4話

「なぁ」

いきなりお父さんが、部屋に来た。

「うわっびっくしたー、なに?」

私はお父さんがいきなり部屋にきたことに疑問を抱く。


「いやー、そういえばその幽霊とお前の関係性を知りたくてな」

「あー…」

私は、何を言っていいかわからなくなった。

「この前の未練の話で実はお父さんお母さんのことを好きになる前に付き合っていた幽霊がいてな、そしたらそいつがいきなり消えたんだ多分成仏したからだと思うが、お父さん、好きな人が消えてすっごく悲しかったんだ。で、お母さんがその心の穴を埋めたって感じ、それで、もし、お前らが付き合っているのなら忠告くらいはしておかないとと思ってな。」


お父さんがそういった。私はお父さんの過去と自分の過去の噛み合わさりかたがすごく似ていて、その緊張感が私を襲った。


「もし、玲音が成仏したら。もし、玲音が成仏できなかったら。」

そんなような思いが私の背筋を凍らせた。

「わかった。でも別に玲音とはそんな関係じゃないし」

と、瞬発的に嘘をついてしまった。

「そうか、なら良かった玲子に悲しい思いはさせられないからな」

お父さんの優しさがしみる。すると

「じゃあ」

と、言って私の部屋を出る。


「ごめん玲音一人になりたい」

私は玲音に、そう言い部屋を出ていってもらった。そこから私は毎日嫌というほど悩んだ。


「玲音とは、別れたほうがいいのか?玲音から離れて成仏してもらったほうがいいのか?そもそも玲音に会わなければよかったのか?」


そんなことを悩んだりもした。すると玲音が

「なぁ大丈夫?悩みの種って俺?」

と、聞いてきた。

「え、いや、そんな、」

「嘘下手すぎ絶対悩みの種俺じゃん。幽霊だからー、とか、そういうの?」


「なんでわかるの?」

「いや、なんとなく」

「へーすごいねー」

「うん、これくらい普通だと思うけど」

「そう?」

こう玲音と話しているときがすごく楽しい。

「もし私が玲音と離れることを決断したら話すこともできなくなる。でも、玲音はきっと新しい恋で成仏できる…」

そう考えていると玲音が聞く。


「ねぇ、なんで黙ってんの?」

私はついに言ってしまった。

「あのね、私ね、玲音と離れたいの」

「え?俺のこと嫌いになっちゃった?」

「いや、そういうことじゃ」

「じゃあなんで…」


玲音は必死に話してくれる。私のことをこんなにも大切にしてくれて、でも、私は玲音と離れることを決意した。嬉しかった気持ちと悲しい気持ちが後をたたない。私の涙はついにこぼれ落ちてしまった。


「だめなの、私が玲音といちゃ」

「なんで、俺は玲子がすきだ、玲子は?玲子の気持ちで動いてほしい。玲子は?俺のこと嫌いか?」

「そういうことじゃない!」

「なら!、玲子は!…俺のことが好きか?」

激しい話し合いの中、私はコクリとうなずいた。


「そうか、じゃあ両想いじゃあないか、なんで自ら俺と離れてのぞんでもないことをするんだ?」

私はすべてを言うことを決意した。

「だって、幽霊だったら、成仏しちゃうかもしれないし、私が離れるのが一番いいじゃん」

「そんなことないんじゃないか?」

「え?」

私は玲音の発言に驚いた。

「だって玲子のお父さん言ってただろ、「幽霊だって元は人間だ見えるのにほおってはおけない」って、そういうことなんじゃないのか?」


私は玲音の良心に涙があふれる。

「玲子、涙増えてんぞ、大丈夫か?」

私は泣きながら玲音のことを強く抱きしめた。

「ごめんね~、離れるなんて。でも、やっぱり私が好きなのは幽霊なんだなー」


すると、玲音も私のことを抱きしめてくれた。ここまで幸せなのは始めてだった。玲音との出会いに悪いことなんてなかった。

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