第3話

夜ご飯を食べ終え、私は部屋へ向かった。


「玲音?」

「んー?」

普通な感じで玲音は、私の部屋にいた。

「良かったー」

「へ?なんで?」

「いや、なんでもない」

私はひそかに成仏していないことに、複雑な気持ちを抱いていた。成仏していない嬉しさと、成仏してほしいこの気持ちの入り混じりが気持ち悪い。


「これはどういう気持ちなのか…」

そんなことを思った。そしてふと私はお墓参りに行きたくなった。

「ねぇーお父さん、この前私、塾でお墓参り行けなかったじゃん、明日行ってもいい?」

と、聞いてみた。


「いいぞ」

お父さんに許可をもらい明日、お墓参りに行くことにした。

「なぁー玲子のお父さんなんで許可したんだー?」

「え?なんで?」

「いやー、普通、自分の可愛い娘をひとりでお墓になんて行かせないでしょ」

と、玲音に、いわれた。

「え、そう?(照)」

私はそういった。そして次の日お墓に行った。


「うわー人多いね」

「え?誰もいないと思うよ?この人達みんなみえるの?」

「うん」

「え?全員幽霊だよ?」

「え、まじか、」

私はやはり霊感があるそう。

「まぁ、幽霊が見える人は幽霊とは人間のように接しられるからねー」


「あー、確かに、だから玲音と、ぎゅーができたんだ」

「…」

玲音が下を向いて黙った。私は至って冷静に言ったはずだ。変なことも言っていない。すると、玲音が、

「ごめん、ぎゅーって言わないで」

と言う。


「え?なんで?」

私はそう言いながら玲音の顔を見た。すると、真っ赤に照りあがった炎のような顔色になっていた。

「え、…なに?どうしたの?」

そう聞いてみた。すると玲音は、呆れたように

「あのね~、可愛いの、そういうこと言われると照れるの、そういうこと言わないでもらえるかな?ずるいよー」

と、言った。


「え…あ、へぇー」

私は玲音がよく照れ隠しをすることに気が付いた。玲音は、恥ずかしいようなことがあったときにいつも下を向いて、一度止まる。でも、そのあとに少ししてからそのまま顔をあげてくれる。きっと玲音は、照れ隠しをしたいながら、ちゃんと人に自分を出そうとしているよう。私はなぜそこまでして自分を出そうとしているのか気になった。


「ねぇ、なんで玲音は、何かあったときにそのまんま顔をあげてくれるの?」

そう聞くと玲音は、

「数年前生きてるときに自分を閉じ込めてていいことなんてなかったから、多少頑張って自分を出せば大きく変われる。そう思ってね…」


「ふーん頑張ったねそういうことをするなんてすごい勇気いるでしょ。そこまでして変わりたいなんていい子だね」

「そんなことないよ、ただの自己防衛でしょ」

そんな感じで玲音と、話しながら、家に帰った。するとお父さんがこっちを向いて驚いていた。


「ん?どうしたのお父さん?」

「お、お前そいつが見えてるのか?」

「え?お父さん見えてるの?」


「あ、ああ、お、お前も霊感があったのか?遺伝か?じゃあ玲華(妹)もか?」

「お父さん落ち着いて」

私は父を落ち着かせ冷静に話をした。

「あのね、私に霊感が出たのは3年前から、で、玲華は、まだ出てないと思う。お母さんは知ってるのかな?」

「いや、お母さんは、知らないお父さんでさえまだ言っていないし」


「え?!結婚してこんなにたつのに?!」

「うん、お母さんに嫌われたくなくて…あと未練があったから…そういえばお母さんとデートに行くと毎回場所移動が激しくて見えてない人でも気配とかあるのかなー?とか思ってたなーで、そいつとは仲良くなってんのか?」


「うん!玲音って言って、結構仲良くさせてもらってるよ」

「そうか、お前なんで成仏できなかったんだ?」

「憧れの人への心残しです。」

「そうか、おつかれさま」

「はい、優しいんですね幽霊なのに」


「幽霊だって元は人間だ見えるのにほおってはおけない」

「ありがとうございます。」

仲がよさそうにお父さんと、話す玲音、それは、なんだか微笑ましかった。

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