第31話決着
完璧に決まった。剣を奪い能力までも奪ったんだ。取り返されようともラーアイの力は落ちているはずだ。
「ゴホッ!……時間切れか。流石に今回は力を使いすぎたな。」
【お疲れのところ悪いがまだあいつは死んではおらんぞ?だがもう戦意は感じられん。負けを認めていると言ってもいいだろう。】
「…そうか。ありがとうマモン。もう戻っても大丈夫だ。」
【分かった。後は任せるぞ。】
ああ、分かってるさ。あいつとケリをつけるまでがこの戦争だ。
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「まさかあそこからあの剣の弱点を見つけてわしを倒すとはな。恐ろしい魔王じゃ。」
剣も奪われた今わしに出来ることなどない。することといえば死を待つのみだ。
「…………何か用か?魔王よ。」
「この戦争を終わらせに来たんだよ。」
「わしが死ぬのを待てばいいものを……。自ら手に掛けるとはよほど狂っておる魔王か、よほど慈悲深い魔王なのか。」
「さあな、お前が思っている方でいいよ。」
「……そうか。わしは性格が悪いからな。よほど狂っておると思って死んでいるとするか。ところで魔王、貴様の名はなんと言う。」
「ナノハ、ナノハ=パネモルフィーだ。」
「ナノハ、か。……魔王ナノハよ。貴様に慈悲があるならどうかわしの剣で斬り殺してくれ。それがわしにとっての幸せじゃ。使い方は知っておるじゃろ?」
「仕方ないな。慈悲深い魔王がお前を幸せにしてやるよ。」
「お前も大概性格が悪いな。……その剣はお前が使え、わしを倒した褒美とでも思え。」
「…ありがたく使わせて貰うよ。……それじゃあな。」
「じゃあな。魔王ナノハよ。先に地獄で待っておるわ。」
ドスッ
「……俺はまだまだ死なねぇよ。」
戦争──────終結
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(sideアースラ)
ナノハと一緒に勇者達を城に運んで勇者をそのまま戦場に戻ったアースラはひとり悩んでいた。
(このまま国王を殺しに行っても良いのだろうか。)
確かに大事な友達を殺されたことは許せない。即刻殺してやりたい。だが、ナノハも過ごした時間こそ大きな差があるがあいつが最も長く一緒にいた者と言えばヘスティアだろう。故に恨みを持つのは私と同じかそれ以上あるはずだ。
「…………今回はあいつに復讐を譲るとするか。私は周りの雑魚どもを蹴散らすとしよう。」
それに純粋な殺し合いなら私は多分ナノハに負けるだろう。
「お前に私の復讐を託す。せいぜい頑張ってくれよ、ナノハ。」
結局、ナノハとラーアイの最終決戦が始まるまでに、アースラは敵戦力の5分の1を葬ったのであった。
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(sideビャク)
うう〜今回僕だけお留守番だなんて〜。
(ふにふに)
みんなと戦いたかったし、ナノハに成長した所も見せたかったのに〜。
(ふにふに)
やっとナノハに会えたと思ったらすぐに寝ちゃうし帰っちゃうし〜
(ふにふに)
しかもなんでこんな女の子たちにここまで弄ばれなきゃいけないの〜!
(ふにふに)
「この子めっちゃ可愛い〜」
「わかる〜。ほらほらーさやっちも触ってみなよ〜。大人しいし可愛いしもふもふだよ〜。」
「いや、いいよ私は。私どっちかと言うと猫派だし。」
「犬派も猫派も関係なーい!可愛ければそれで良し!さあこの子を触ってみなよ〜。ほれほれ〜。」
(僕をものみたいに扱うな!)
(くそ〜ナノハの言い付けがなかったらこんなやつなんかに絶対に触らせないのに〜。)
ナノハに勇者たちを監査するように言われたのはいいけどとりあえずすぐに押さえつけれるように牢屋の中に入ったビャクくんはしばらくの間この扱いを受けていましたとさ。
「……ねえ、やっぱり七葉くんのとこに行かない?」
「あたしもちょっと思ってきたんだよね。」
「ちょっと!ちっちゃい虎なんかに惑わされないでよ!もうちょっと真剣に考えなさーい!」
(僕はちっちゃくなーい!)
「あ、逃げようとしてる〜。逃げちゃダメだよー。」
今度からは力もつけていこうと心から思ったビャクであった。
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というわけでアースラ側と忘れられてた(忘れてはないよ!)ビャク側のお話を最後に混ぜたところで第1章『復讐と成長の魔王』の完結です。次章はナノハ側(神獣問題)と勇者側、その他の魔王側の話などを入れていく予定です。まあ幕間章みたいなものですね。順番や内容はおいおい決めていくのでよろしくお願いします。そういう関係で今回幕間は多分ないです。
お読み下さりありがとうございます!
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拙い文章ですが精一杯頑張りますのでよろしくお願いしますm(_ _)m
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