第9話 戦争準備


とりあえず兵を集めることはできた。それにどうやら今回は先行隊だったらしく相手はそんなにいないらしいがそれでも油断出来ない人もいるらしい。さらに情報も詳しく入ってきたようだ。


「どうやら今回攻めてきた国は前に言った残り二国のセイレン国とコウキレン国のようじゃ。まさか二国の連合じゃったとはな。それにかなり厄介な国が攻めてきたものじゃ。」


「厄介?そんなに強いのか?」


国のことなんかさっぱりなのでそう思って聞いてみると、


「いや、確かに多少強いやつもおるにはおるが、負けるほどでもない。むしろ余裕で勝てるじゃろう。」


「じゃあなんで…」


「あの国らはもともとひとつの国であったんじゃが10年ほど前に4つに分裂したんじゃ。その四国のうちの二国が今回攻めてきたんじゃ。残りの国の名前はキレン国と言うんじゃが、最大の特徴というのがコクレン国を中心として四つの国が同盟を結んでおる事じゃな。まあ、キレン国は技術に長けてはおるが基本的には戦争に参加しないらしいからな。無視で良いじゃろう。じゃがコクレン国は無視できんな。あそこの王は前にもちっとばかし説明した七皇の1人が治めておるのじゃ。しかもあそこの王はかなりずる賢いと言われておるそうじゃからな、早めに潰さんといかんな。」


「いや、確かに潰すのはいいと思うが、今潰すと厄介なことになるぞ?」


「ん?どうしてじゃ?奴らは我らの国に進軍してきたのじゃぞ?」


「コクレン国の王がずる賢いなら多分、『自分から進軍してきた訳ではなく軍事演習だったのに向こうがいきなり攻めてきたため何も出来ない状況だ。』とかなんとか言って自分たちが被害者とか言ったりしてこちらを潰す名目をたてるだろ。」


「む、確かに。厄介じゃな。どうしてくれようか。」


確かに全滅させてもダメ。魔王軍は悪というのが人間の国に蔓延っているなら捕虜として尋問して聞き出しても信じてもらえるかも怪しい。


「なら、もう潰しに行くのはどうだ?」


「潰しにいくとな?」


「そうだ。何やっても無理ならもうコクレン国を潰しに行った方が早くないか?」


「うーん確かに有効ではあるがな、こちらは平和主義と名乗っておるばかりに先制攻撃は良くないのじゃ。じゃが、うむ、第三階位魔王であるヤツに話をつければ出来んこともないじゃろ。」


そう言うとヘスティアはどこかに行ってしまった。


********************

(sideコクレン国)


「ラーアイ皇帝様。今回の侵攻、いくら第五階位であっても人数も実力も足りなくはないでしょうか?」


側近のひとりがそう皇帝に言うと、


「ふん、馬鹿め。だからいいんだろうが。もし向こうがこちらの軍に攻撃を仕掛けたら即時撤退からの我らの正当性を主張して本格的に潰していくぞ。さすがに魔国であっても自ら戦争を仕掛けるのも良くないからな。それに今回はもうひとつ布石もしておる。なんのためにキレン国を攻撃をしない国とておいたか、時期にわかるじゃろう。」


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前回までの変更点

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