第6話 異世界初戦闘 後編

  レッド、ピンク、ゴールドの同時攻撃がスカルマに迫る!

 「甘いわ! そこにいるのは空の鎧よ~♪」

 いつの間にか後方へ下がったスカルマが笑う。

 スカルマの鎧は無くなっていない。

 「この髑髏の鎧は、同じ鎧を生み出して抜け出す事ができるのだ♪」

 鎧の自慢をしながら笑うスカルマ。

 「なるほど、制限なしで変わり身出来るってか!」

 「先輩、ゴールド! 敵兵達を先に片付けましょう!」

 「仕方ありませんね!」

 三人は散開し敵の戦闘員を撃破しに向かう。

 「くっくっく♪ 生き延びたわい、次はこいつの出番だ!」

 スカルマは掌に何かボールのような物を持っていた。

 「出でよ改造モンスター、ポイズンゴ~~~レムッ♪」

 スカルマが叫び、戦隊達へ向けてボールを投げるとボールが爆ぜた!

 「うおぅっ!」

 「先輩っ! きゃっ!」

 「お二人共っ!」

 ボールが爆発した衝撃で吹き飛ばされたレッドとピンクをゴールドが飛んで

キャッチした。

 「皆、怪人が出たぞっ!」

 「本当、異世界も地球と変わりませんわね!」

 「巨大化するかも知れないね!」

 レッド達の下へ集まるメンバー。

 ボールの爆心地には二メートルほどの大きさの紫色の怪人が立っていた。

 「行け、ポイズンゴーレムよ! お前の毒を喰らわせてやれ~♪」

 スカルマの命令にポイズンゴーレムが唸りを上げて同意し、目を赤く光らせて

戦隊達へと向かって来た。

 「良し、フォーメーションアローだ!」

 頭上から見るとレッドを先頭にAの字を描くように陣形を組む一同。

 ゴールドがAの字の横線の位置に着く。

 「行くぜ、レッドブルアタックッ!」

 レッドが牛の角のように両の拳を突き出して構えるとレッドの拳が燃え上がる。

 「先輩、発射します!」

 「レッド君、突っこめっ!」

 「返り討ちですわ♪」

 「行くよ~♪」

 「参ります!」

 戦隊メンバー全員がスーツからエネルギーを発射しレッドを砲弾として打ち出した!

 火の玉となったレッドと、紫色の毒液を垂らしながら振るわれたポイズンゴーレムの

拳がぶつかり合うもレッドが競り勝ちポイズンゴーレムをぶち抜いて爆散させた!

 

 「ば、馬鹿な! 奴の炎が毒すらも焼き尽くしたというのか!」

 ポイズンゴーレムが瞬殺されて驚くスカルマ。

 「ああ、ちまちまやり合ってたら不味い相手だと思ったから一気に決めたぜ」

 メンバーの所に戻ったレッドが叫ぶ。

 「おのれ、敵ながら小癪な判断力よ! だが、まだ終わらんぞリザレクション!」

 スカルマが呪文を叫び指を鳴らすと、消滅したはずのポイズンゴーレムが巨大化復活した!

 「ふぁ~っはっはっは♪ 改造モンスターは巨大化して復活できるのだ~♪」

 スカルマが勝利を確信して高笑いをする、敗北フラグ成立であった。


 「皆様、マシンを召喚いたします!」

 ゴールドが叫ぶとジーラベースの格納庫から、金の卵状態で作成中のゴールドの専用機以外

の各マシンが発進した。

 赤い猛牛型メカのレッドバイソンが、黑いドリル戦車ブラックドリルを牽引しながら走る。

 ピンクの狼型メカのピンクウルフがそれに並走し、黄色い巨大なクレーン車のイエロークレーン

が青い新幹線のブルーライナーを載せて追いかける。

 「な、何だあの巨大な牛や機械共は!」

 異世界の巨大メカを始めてみたスカルマが驚愕する。


 「来たぜ、ダイユーシャに合体だ♪」

 レッドの叫びに皆が応じて全員が機体に乗り、合体シークエンスに入った。

 レッドバイソンが跳び上がり頭部と胴体に変形する。

 次にイエロークレーンが、クレーンと車部分が分離しクレーンが右肩で車部分が

腰と腿の部分になる。

 そこに分離したブラックドリルが両足に変形し合体する。

 赤と黄と黒のメカが合体したらブルーライナーが合体し右腕になり、ピンクウルフが

合体し左腕となる事でスーパーロボットダイユーシャが完成した。


 巨大化したポイズンゴーレムは本能から危険を感じ取り、合体中に手出しはできなかった。

 「「完成、ダイユーシャ!」」

 乗り込んだ面々がそれぞれのコクピットで叫ぶ。


 流石に昼飯時に村の外で轟音が鳴りひびけば、村人達も家の外へと飛び出してくる。

 そこへゴールドが変身を解き村の上空へと飛んで行く。

 「地上に残りし我が民達よ、驚く事はありません♪ あの五色の巨人は、我が勇者達の操る武具で紫の怪物の災いからあなた達を守りに来ました」

 ジーラを崇める村の民達は女神の登場と、その言葉に感謝し平伏した。

 「我が加護を信じ、家に戻り身を潜めなさい♪ 戦いはじきに終わります♪」

 ジーラの言葉に村人達は素直に従いそれぞれの家の中へと戻って行った。

 「さて、村への結界を張らねば」

 再びゴールドへと変身したジーラは村全体を金色の光のバリヤーで覆った。


 「レッド、村の方はゴールドがやってくれたよ♪」

 「先輩、行きましょう♪」

 「そうだね、ダイカタナ―は使うかい?」

 「いえ、一番槍は私にお任せを♪ クレーンシュート♪」

 イエローが操作し、クレーンワイヤーを射出する。

 ポイズンゴーレムが腕でガードをすればそこにワイヤーが絡まった。

 「ヒット♪ 崩して投げに入りますわ♪」

 イエローが釣りと柔道を参考にした戦法を取ろうとする。

 「イエロー先輩、敵が毒液を垂れ流してます!」

 ピンクが叫んだ通り、ポイズンゴーレムが体から毒液を垂れ流して

ワイヤーを溶かしてしまったっ!

 「敵の毒液が来るよ!」

 ブルーが叫び、回避運動を取る前にポイズンゴーレムのが口から毒液を吐き出す。

 「「うわ~~~っ!!」」

 「おおっ♪ 効いているぞ♪」

 スカルマが離れた場所から観察して喜ぶ。


 毒液が直撃し、小さい爆発を連続して起こしてダメージを受けて膝を付くダイユーシャ。

 「結構手強いなこいつ、だがまだ行けるぜ!」

 「ダメージ変換&拡散機能が異世界でも正常に動いて良かった」

 「お返しに行くよ、皆♪」

 謎機能でダメージを軽減したダイユーシャが再び立ち上がる。

 「次は私だ、エネルギーコーティング! ドリルニーキック!」

 ダイユーシャが膝のドリルにエネルギーを纏わせて突進し、何故か顔面を腕で守った

ポイズンゴーレムの腹を膝蹴りでぶち抜いた!

 「なるほど、エネルギーを纏わせれば毒液は防げるんですね♪」

 「次からは注意しますわ!」

 ピンクがブラックに感心し、イエローが反省する。


 「げげっ! 毒液を弾くとは何だあの未知のエネルギーはっ?」

 攻撃が効いたと思ったらすぐに対策をされて驚愕するスカルマ。

 正直逃げ出したいが、報告の為にも敵の観察はしなければならない立場に

彼は胃を痛めていた。

 

 腹を撃ち抜かれてもまだ動けるポイズンゴーレムが殴ってダイユーシャを引き離す。

 「仕切り直しね! レッド、ダイカタナ―で止め刺しちゃえ!」

 ブルーが叫ぶ。

 「わかった、ダイカタナ―召喚っ!」

 レッドがスイッチを押すと、ジーラベースの格納庫が開き巨大な赤柄の太刀が

射出される。

 「今度は空からデカい剣だと! 大概にしろ!」

 スカルマが戦隊達の戦力に憤る。


 「ダイカタナ―来ました、キャッチします!」

 ピンクが操作し狼メカの牙がガチッとダイカタナ―をキャッチする。

 「よっしゃ、俺が行くぜ♪ ダイカタナ―、勇気熱血断ゆうきねっけつだんっ!」

 レッドが叫んで操作するとダイユーシャはダイカタナ―を上段に構える。

 ダイカタナ―の銀の刀身がエネルギーを纏い黄金に輝き、金色の炎を燃やした!

 そして黄金の炎燃え盛る太刀を振り上げたまま突進し、一気に敵へと振り下ろす。

 ポイズンゴーレムは両腕で受け止めようとするも、真っ二つに切られ金色の粒子となって

消え去った。

 技を決めて敵を倒したダイユーシャが残心を取る。

 

 「おのれ~っ! 覚えておれ~~っ!」

 ポイズンゴーレムを倒されたのを見届けたスカルマは、転移の魔法で姿を消した。

 こうして、ユウシャイン達は異世界での初戦闘で勝利を飾ったのであった。

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