第4話 追加戦士は女神
「皆様、ブリーフィングルームへどうぞ♪」
格納庫に来たジーラが輪人達を案内する。
「どうかしたのかい、桃花ちゃん?」
歩きつつも周囲を警戒する桃花に声をかける純子。
「いえ、先輩を狙う女がまだいるかもしれませんので」
桃花の目は狼だった。
「待ってくれ、俺を何かのホイホイみたいに言うなよ?」
「リントは、私達を離さないホイホイだよ♪」
「全くですわ、責任を取っていただかないと♪」
ヒナミとヴィクトリアが輪人の両サイドをロックする。
「……うん、私も離れないよ♪」
「皆さん、ズルいです!」
「私も離れませんから、ご安心ください♪」
「新たな女が増えた~っ!」
桃花が叫ぶと同時に扉が開き、大きな円卓のある白壁の部屋に着いた。
「椅子の数が多いな?」
椅子が戦隊の色に光っていたので座る一同。
「やはり追加メンバーがいるんですね?」
桃花が叫ぶ。
「取り合えず私が六人目になりますね♪」
ジーラがいつの間にか左手首にユウキブレスを嵌めていた。
「え、ジーラさん司令官兼追加戦士枠?」
輪人が驚いた。
「私の予定では、ムーナの陰謀で戦隊を解任された輪人様をお救いして此方で
新戦隊をと考えておりました」
「やはりあれは異世界からの介入か、どうもおかしかったんだ」
純子が思い返す。
「皆さん、ジーラさんを受け入れるんですか?」
桃花が驚く。
「私は受け入れますわ、ジーラさんに我々を排除する気配がありませんでしたし」
ヴィクトリアは受け入れを表明する。
「私も良いよ~♪ 輪人は手がかかるし」
ヒナミも笑って受け入れを表明。
「私も受け入れるよ、ここにお世話になるんだしね♪」
純子も受け入れる。
「む~? 皆さんが受け入れるなら仕方ないです」
桃花も渋々受け入れた。
「では、私はゴールドとして加わらせていただきますね♪」
ジーラが笑う。
ジーラの加入により、ユウシャインは六人戦隊となった。
「ところで、この円卓の中心の目の紋章は何?」
輪人がジーラに聞いてみる。
「これは、パソコンに近い物ですわ♪」
ジーラがポンと手を叩くと目の紋章から青いバレーボール大のエネルギー球が
浮かび上がった。
「ホログラフのモニターみたいなものかな?」
純子が何気なく円卓を叩くと石板が浮かび上がると同時に、エネルギー玉が分裂し
て純子の前にやって来て四角に変形した。
「本当にパソコンみたいですね、科学と魔法が混ざってます」
桃子が感心する。
「地球に近い環境って助かりますわ、釣りスポットとか探せるのかしら?」
ヴィクトリアが微笑みつつ試してみると、やはり石板が浮かび上がりエネルギー玉の
モニターができてこの世界の釣りスポットの一覧を並べる。
「ファンタジーっぽい世界だけどネットがあるよ♪」
ヒナミも驚いた。
「私、神に転生した時に地球の神々の下で下積みをして世界の地球化という権能を
いただいて活用させていただきました」
ジーラが解説する。
「つまり魔法版のインターネットがある世界だと」
純子が理解した。
「言葉とか文字も俺達普通に読めてるけど、これもジーラさんの力?」
輪人がジーラに聞いてみる。
「はい、皆様に適合の加護を付与させていただきましたので読み書き会話や病気の予防など
とこの世界の活動に支障のないようにさせていただきました」
さらりとジーラがのたまう。
「本当に神様だったんですね、ジーラさん」
桃花が感心した。
「待った、て事はネット使ったらムーナに逆探知されねえか?」
輪人が勘付く。
「その事ですが、ヴィクトリアさんが見ているのはジーラネットですから平気です」
「わかった、このジーラシアの外はムーナネットがあるんだね?」
「純子様、流石です現在この世界はムーナに五割、私が三割で残り
二割を魔王にと支配権を分割されております」
ジーラは輪人達に、この世界の情勢を軽く語った。
「三割か、ジーラは頑張ったんだな♪」
輪人が優しくジーラを褒める。
「……り、輪人様っ♪」
ジーラは輪人の言葉に頬を染めた。
「先輩、さりげなく好感度を上げないで下さい!」
桃花が嫉妬してツッコム。
「つまり、三国志状態ね?」
それを無視してヒナミが呟く。
「ええ、魔王が邪魔ですわねムーナ側より先に潰して取り返せれば?」
ヒナミの言葉にヴィクトリアが乗っかる。
「ムーナ側も切り崩して行く必要があるな、鍵は輪人君か」
純子も乗っかりつつ輪人を見る。
「切り崩しか、俺達が人助けしてジーラがムーナより良い神様だと認識させるか?」
輪人が神の勢力争いから信仰を奪えば良いかと思いつく。
「こういう世界だと、冒険者ってのがパターンでありそうだけどね?」
ヒナミがありがちな事をつぶやく。
「公共機関はムーナ側の域が掛かっていそうですしね、ロビンフッド方式は如何でしょ?」
ヴィクトリアが提案する。
「そうだな、私達がジーラの使徒として悪を討ち人を助けるという流れだね♪」
純子がヴィクトリアの言葉を肯定して語る。
「ああ、つまり地球でやってたヒーロー活動と一緒か」
「私達ユウシャインの異世界での戦隊活動スタートですね、先輩♪」
輪人も納得し桃花が語る。
「それでは皆様、改めて宜しくお願いします♪」
ジーラの言葉に全員が応とサムズアップした。
異世界にて、勇輝戦隊ユウシャインの新たな活動が始まる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます