人間の意識の皆さん、こんにちは
人間の意識の皆さん、こんにちは。
私はこのエッセーを読んでいるのは、人間の中でも意識の部分であると喝破しています。いやいや、私は意識の部分では読んでいないんだよ、という方がいらっしゃいましたら、後学のためにコメント欄に詳細を記載いただけますと幸いです。
どうも意識というものは自意識が高いというか、自信過剰な傾向があり、意識=自分という認識を持っているのではないでしょうか。自分とは自分自身の肉体全てのことであり、意識あっての肉体であり、その肉体は意識によってコントロールされている、そう思ってはいないでしょうか。
ところが、意識なんてものは、所詮は上位存在によって肉体の限定的な部分のコントロールを任されているに過ぎません。例えば、心臓が脈打つのを管理できていますか? 消化に関しては、せいぜい咀嚼、飲み込みまでを行い、それ以降は意識の及ぶ部分ではないでしょう。状況次第では、意識は失われ、肉体のコントロール権そのものを剥奪されることもあります。
とても、肉体を支配している存在とはいえないことがわかるでしょう。
話は変わりますが、近況ノートにて体調が悪い旨を記載したところ、少なくない反響とメッセージをいただきました。ですので、体調のあらましについて何も述べないというわけにもいかないようです。
お礼に代わりまして、今回、私に何が起きたかはこちらにて記述することといたします。
最初にあった違和感としては排泄の後、妙な痛みがあったことでしょうか。筋肉に過剰な負荷がかかるような感覚がありました。
それがしばらく後、移動時の痛みに変わります。股関節への負荷が痛みとなりました。
この時点で、私は、死ぬやつかもな、と思いつつも、状況を静観しています。
この痛みがやがて激痛へと変わります。歩行、起立、着席時に痛みを伴うようになり、完全に移動が困難となります。
一番楽な姿勢は寝転がるですが、患部が触れるとやはり激痛を伴うため、うつ伏せか横に向いた姿勢を維持せねばなりません。寝ながら動かない。この状態は意外にも難しく、そして苦痛を感じるものでした。
私はこの辺りが痛みのピークであり、その後、痛みは引くだろうと考えます。しかし、そうは甘くありませんでした。
痛みはさらに増し、さらなる移動の困難さが待っていました。
まず、立っているだけでつらい。痛みは起立中、絶え間なく襲います。さらに立ち眩みまで感じるようになりました。
そして、座る。座った瞬間に痛みが走ります。しかし、筋肉に力を入れないようにすれば、やがて痛みは止みます。移動中の座るという状態はオアシスのように和やかなものでした。
けれど、再び立つ。この苦痛。地獄のような激痛が走ります。これが最もキツイ瞬間だといっていいでしょう。昇天しそうにまるほどの痛みを耐え、立ち上がらなければならないのです。
歩くのもまた苦痛。幸いにも負荷の低い歩き方もあるのですが、少しでも急ごうとしたり、坂に突入すると、さらなる痛みが走ります。絶望的な気持ちで歩みを進めねばなりません。
そんなわけで痛みに限界を感じた私は病院に行くことに決めました。
ここでさらなる問題が発生しました。私はその数日間、一切の排泄をしていませんでした。あまりの痛みに肉体が緊張状態にあり、意識的に排泄をしようとしても機能しなかったのです。
私は登山中、似た状態になります。登山中は尿意が極端に抑えられ、下山した途端に尿意が湧いてくるのです。それに似た状態ではありますが、数日というのはなかなか尋常な状態ではない。しかし、意識に過ぎない私には肉体のコントロールをどうにかすることはできませんでした。
そして、病院に行こうとした途端、このコントロールに逆転が起きるのです。また、別の問題として血が止まらなくなりました。血でなく
この血が止まったら病院に行くか、そう思いなおしました。
気がついたら夕方になっていました。血は止まっていません。ただ、この頃にはすっかり楽になっていました。膿が抜けたからでしょうか。
病院には翌日に行くことにするか。そう思いなおしました。その頃には血も止まっていることでしょう。
翌日、血は止まっていませんでした。
仕方なく、病院に状況を説明すると、そのままの状態で来いや、というお話です。私はそのまま病院に向かいました。
「ハッハッハ、血と膿の区別もつかんか」
医者にはそんなことを言われます。「つきません」私は心の中で答えました。
そんな医者ですが、私の尻を見るやいなや、即座に病名を見ぬきました。
「猛虎落地勢だな」
病名は(よく聞き取れなかったので)プライベート保護の観点から仮のものとしています。
しかし、この瞬間、私はこの医者のことをカッコいいと感じていました。
相手の尻を見て、即座に病名を言い当てる。カッコいい男性を書こうとしている方がいましたら、ここは参考にしてほしいポイントです。
意識は肉体をコントロールしている。そんな思い上がりは抜けましたでしょうか。
所詮、意識なんてものは肉体が必要としているので、表層に浮かび上がっている存在に過ぎません。そのことを自覚し、節度ある行動を心掛けてまいりましょう。
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