僕の憧れの人【剣豪篇】
好きな剣術の技は無刀取りです。
相手に気づかせぬうちに、刀を持った相手への劣勢を撥ね退けるのが格好いいし、余裕感のある立ち回りが圧倒的強者の風を感じさせてくれます。刀を極めると無刀に至るという、わかるようでさっぱりわからない概念も好きです。
似たような技の真剣白刃取りは、緊迫感があってアクションの見せ場としてはいいのでしょう。ですが、必死感がありすぎて風格がないのであまり好きではないです。
いつだったか飲みの席にて、
「剣豪の中で一番強いのは誰か?」
という問いを受けたことがあります。
急に質問が来た(QSK)ので、私は頭の整理もままならないうちに答えました。
「
言葉を発した瞬間に、しまった、と思いました。あるいは、やべっ、と思いました。案の定、どよめきが起こります。
「
私としても、無刀の境地に達した柳生石舟斎を挙げたかったのですが、咄嗟のことで名前を間違えてしまい、宗矩と言ってしまっていました。もしくは、無刀取り伝説のある
しかし、一度吐き出した言葉を呑み込むことはできません。私は必死で頭を働かせつつ、答えました。
「剣術も技術である以上、本人だけが強いというのでは意味がありません。技術は継承させてこそ活きるものでしょう。
ですので、
苦しいながらも、どうにか言い繕うことができました。
そんなわけで、私は柳生宗矩最強論者になったのです。ところが、山口貴由先生の「衛府の七忍」を読んでいたところ、時空を超えて擁護者が現れました。新選組の
土方歳三は言います。
「
真偽は怪しいのですが、柳生宗矩には武者7人を瞬く間に倒したという武勇伝があるのです。
時代劇や映画ではよくある場面ですが、実際に複数相手にして瞬時に撃ち倒すなんて、
やはり、柳生宗矩最強論を唱えた私の目に狂いはなかったというべきでしょう。
余談ですが、ジャンプの打ち切り漫画で「三つ首コンドル」が好きでした。ヒロインの得意技が無刀取りで、劣勢を瞬時に切り抜ける無刀取りの妙がしっかり描かれていたからです。
同じく打ち切り漫画の「無刀ブラック」は好きではありませんでした。無刀といいながらも、刀を極めているわけでもない単なる柔術家で、無刀取りの描写もなかったからです。
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