第7話 飛んで、また飛んで

 いや~久しぶりの食事は美味しかった~!


 しかも極上の海鮮が堪能出来て嬉しいわ。



 深海にはもう興味がないというか、誰もいなくなったので、俺は地上に向けてジェット噴射を試す。


 おお~意外に使い勝手が良いな~


 このまま海を超えて、どこかに行けたらいいな~




 ――と思っていた時期が俺にもありました。


 ジェット噴射をあまりにも強くし過ぎて、海から飛び出てそのまま更に空を飛んでしまった。


 既に噴射は止めてるんだけど……落ちる気配がないんだよね…………まぁいっか。




 数日上空に向かって飛び続けた俺は――――。


 ドカーン


 何かにぶつかって止まった。


「て、敵襲!!!」


 頭に響く声が聞こえた。


 ボイスチャットをイヤホンで聞く感じ。


 この感じ、久しぶりだな~。何だか、前世が懐かしいわ。


 ぶつかった場所から降りると、そこはなんと!



「すげぇ!! 雲の上じゃん!」


 フワフワしそうな雲の上だけど、普通に硬い地面の感覚だ。


 誰だよ……雲ってフワフワしているって言ったやつ……がっかりだよ……。


 まだお腹いっぱいだけど、食えないか、試して見る。


 う~ん、ただの石と変わらない。


 フワフワしそうに見えるただの白い石…………。


 今度フワフワした雲が美味しそうって言うやつには現実を教えてあげよう。



 そんな事をしていると、俺の周りを何者かが囲い始めた。


「貴様! 魔族ではあるまい! 一体どこの誰だ!!」


 全員光る槍を持っていて、頭の上には円形の輪っかが浮かんでいて、背中には白い羽根が生えていた。しかも、全員美男子。


「今度は天使族か!?」


「ぬっ!? 貴様、そんな当たり前の事を?」


「へぇー、天使か~、天使って女性のイメージしかなかったからな~」


「くっ……こいつ……人の話を全く聞かん……よし! 全員! やれ!」


 天使の光る槍が一斉に俺に刺さった。


 カーン


 金属がぶつかる音が天界に響いた。


「なっ!? セイントランスが効かないだと!?」


 名前格好いいな~どこかの小娘の剣の名前とは異次元級に違うわ。


 俺に刺さっている槍を軽くつまんでみる。


 パリーン


 あ、折れた。


「ぎ、ぎやああああ! セイントランスが折れただと!? オリハルコンで作られた最強の槍が…………そんな馬鹿な……」


 天使達が一斉にその場に崩れ落ちた。




 その時。


「あらあらー、珍しい人間が来たわね」


 美しい声が後ろから聞こえて来た。

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