第4話 後継者の為に・・・。

僕は次世代育成も考えていた。

社内にあるツールにはシステムベンダーが作ったものもある。


はっきり言ってそのソース(プログラムの実行内容)は見にくい。

書いた人によって書き方が異なる。


省略の仕方も・・・。


全ツールのソースを見直した。

全て同じルールで書くルールを作って・・・。


基本的に省略はしないように・・・。

後から見る人が解りやすいように。


コメントもたくさんつけて・・・。


ここまでして読めなかったら、実力不足ですよね。


後任担当者。


あと、作成日時、担当者、変更履歴も全て残してある。

どのように変更していけば良いかもわかる。


この事は、業務効率化をする上でも重要な事だ。

何がどのように動いている。


それを把握するのに使う事ができる。


事務工数が多い部分をどのようにすれば減らせるか・・・。


誰がどのように入力しているか。

分析もできる。


影の仕事だけどね。


その当時、新人派遣社員の教育もしていた。

入力の遅い人。


それは、マウスを使い過ぎる。


基本は、キーボードのみで入力するのが速く入力するコツだ。


僕が教えた新人は、みんな、キーボードのみの入力をお願いした。

最初、多くの人は『できない』って言う。


けど、1か月もするとできるようになるんだよね。


『この方法早いね』

っていう人がほとんど・・・。


できない人は、早くならない。

一人だけ、いたよ。

そんな人。


その人は、大学院卒で学歴は高いらしい。

けど、手が遅い。


いろんな資格を取っているみたいだけどね。


なんで、早くならないんだろう。

見ていると、最初の方法を続けている。


『マウスを使わない』

これがダメみたい。


こいつは駄目だ。

何回か指摘する。

1か月は、この方法でやるように指示しているからね。


少ししたら、辞めていったけど・・・。


「この会社を辞める事は良いと思う。

 けど、あんまり転職回数が多くなると、条件が落ちるから、気をつけてね」


その他、いろいろしゃべったけど・・・。


なんか、その子、ビックリしていた。

僕は、仕事を思って注意していただけだし。


いろんな考え方があるし・・・。

けど、日本社会の常識は教えてあげないとね。


その子、活躍できると良いと思うけど・・・。

たぶん、ダメだろうな・・・。


あの思考回路では・・・。

頭が固すぎる・・・。



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