第3話 ノー残業デーって何?
顧客管理システムの管理者をしていた時、すごく大変だった。
僕自身、その時は入社数年目の下っ端。
けど、会社や部署に長くいる人の処理を最終確認する立場・・・。
みんなの処理をきちんと把握する必要がある。
僕より上のランクの人は、仕事をしていなかったと思う。
僕の仕事を管理できないんだから・・・。
仕事上は、僕の方がランクが上。
給与上は、僕の方がランクが下だけど・・・。
その会社には、『ノー残業デー』というものが月に1日あった。
総務が勝手に決めた日だ。
僕は前任のシステム管理者から引き継ぎする時に問題視した。
前任のシステム管理者は、『マネージャー』
つまり、『管理監督者』
前任者は、残業代がでない立場の上の人。
僕は下っ端。
もちろん、残業代が出る立場である。
総務が『アホ』だから、『顧客請求の締め日』を関係なしに『ノー残業デー』を決める。
前任者も、『ノー残業デー』について要望を出していた。
『顧客請求の締め日』に『ノー残業デー』をしないでくれと・・・。
『顧客請求の締め日』は、金融機関によって決められている。
だから、この会社で決める事ができない。
それより前に締めるという事もできるという意見もあるかもしれないが、
工事業者・顧客などたくさんの影響があるからできない。
けど、総務は、『ノー残業デー』を強行していた。
僕は、『ノー残業デー』があるからできない。
それを主張していた。
当たり前だ。
会社のルールを破っても、僕にメリットはない。
こんなめんどくさい仕事なんてしないで良いのであれば、しなければ良い。
けど、この仕事は、僕に来てしまった。
・・・
すごく忙しい。
けど、勉強にはなった。
そして、『ノー残業デー』と『顧客請求の締め日』が一致する日が・・・。
僕の元に執行役員が来た。
「〇〇君はノー残業デーなのにいるの?」
「帰って良いですか」
僕の上司が慌てて執行役員を連れてどこかに・・・。
僕は思った。
あーあー。
帰りたかった。
そしたら、面白い事になったのに・・・。
数億円の請求が漏れるという大惨事になるだけだから・・・。
会社の売上の90%以上が入って来ないだけだし・・・。
それでいて、責任は、僕にはない。
残念・・・。
もし、帰ったら『おもしろかった』のに・・・。
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