第3話 まずは己を知るべし

 本題の自主企画活用アイデアについて綴る前にどうしても触れておくべきことがあります。よって第3話では先にその必須事項について触れて参ります。


 既に本話のタイトルにも書かれている通り、触れるべきこととは自分を知ることです。作者が何のために書いているのかによって作者の自主企画への接し方は全く異なってくると私は考えるからです。


 私は作者の目的によって自主企画との触れ合い方が3タイプに分かれると考えました。これよりそれぞれについて述べて参ります。


【タイプ1・書籍化率0%でOK! 完全趣味タイプ】

 書籍化は毛頭考えておらず、とにかく自身が紡いだ物語を読んでくれる人が一人でも増えれば満足であるという人にとってはランキング反映対象外の制約は全く問題になりません。気にせずにどんどん積極的に使うべきだと思います。


【タイプ2・打診で書籍化したい! Web志望タイプ】

 例えば私の様に著作の書籍化を目指している場合、書籍化打診を得るために評価★のランキング反映を意識する必要がありますので、同一企画参加者からの評価は対象外となってしまう自主企画との関りは慎重に進めねばなりません。

 ここで注意して頂きたい点があります。「そんなガチじゃなくてできれば書籍化したいって感じなんですけど……」という人も私はこちらに当てはまると考えております。何故ならガチ勢でもできれば勢でも適応される自主企画の規則は一律で同じだからです。同じである以上は規則基準で動かねばなりません。


【タイプ3・公募で書籍化したい! 受賞志望タイプ】

 最後はWeb小説サイトでの公開は読者からのフィードバックを受ける場所として割り切って、書籍化の手段は公募に絞るタイプです。このタイプの場合もWebからのすくい上げの可能性を0%にしても良いのであれば積極的に自主企画を活用しても良いと考えます。


 以上私が考える3タイプについて挙げて参りました。私自身を自己分析して当てはめると私は2と3のハイブリッドタイプに当てはまります。公募中心で書籍化を狙いつつ、Webの可能性も捨てたくないということです。


 では続けて各タイプにおける活用法についてまとめて参ります。


 まず1についてはタイプ説明でも述べた様に細かいことは気にせずに積極的に使った方が良いかと思います。


 続いて3に関してもランキング反映対象外がデメリットにはなりませんので積極的に活用しても大丈夫だと思います。しかしタイプ1よりも参加する企画の選択は慎重に行うべきですし、自分で自主企画を作成する際はもっと気を付けましょう。

 公募で作家デビューを目指すということはWeb小説サイト上の流行作品に比べて遥かにキャラや設定、ストーリーを練った作品を書いていらっしゃると思います。その心血を注いだ作品との読み合い対象として、展開ありきでキャラの思考を歪めたご都合量産型作品を応募されたらいかがでしょうか? 全く学びにならない出会いとなって無駄に時間を浪費する結果になりかねません。

 タイプ3の方が自主企画を使うメリットとしては、狙っている公募に近い条件の自主企画に参加、または企画を作成して、他の参加者からのフィードバックを受ける場とできることだと思います。

 私自身、自主企画を通じてではないものの公募勢の作家様のご指摘でメイン作品のアップデートができておりますので、公募に出す前に指摘を受けられるメリットは大きいと思います。


 最後に残ったのがタイプ2です。たとえどんなに僅かでも拾い上げ書籍化に希望を感じているならばランキング反映対象外制約がある自主企画を気安く使えません。でも自主企画の利便性も捨て難い。

 そんなジレンマを感じた私が何をしたか? それはまず自主企画のメリットとデメリットの洗い出しと、利用者各立場に基づいた考察です。次回では作者、読者、そしてとある第三者の視点から見る自主企画のメリットとデメリットについて述べて参ります。

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