第2話 取り返しがつかない過ち
まず本論に入る前に読者様に謝罪せねばなりません。第一話で絶対に自主企画には参加しないと大口を叩いておきながら、私自身一度だけ参加をしたことがあります。早速の前言撤回ごめんなさい。
言い訳をしますと、カクヨムに登録したばかりの私は本気で書いているのにピックアップに並ぶ追放ざまぁやチョロインハーレムの人気ぶりを見ると太刀打ちできる自信がありませんでした。そこで「この環境で読まれるためには仕方ない」と感じ、結果として誘惑に負けて参加してしまったのです。
参加したのはテンプレ作品の参加を禁止した自主企画であったと思います。確か参加の翌日だったでしょうか。起床すると自作に★評価が付いていました。まさか自主企画に参加してからこんなにも早く評価が付くとは思ってもいなかった私は歓喜に震えます。しかしその歓喜は一瞬にして冷めました。気付いてしまったのです。
「待て待て? 俺は喜んでいるが、もしかしてとんでもなく大切な物を同時に失ったのではないのか?」
そう感じた理由は以下の自主企画注意事項にあります。
「同じイベントに参加しているユーザー同士の評価は、通常のランキングやコンテストのランキングに反映されません」
私が自主企画で★を得た代償として失ったのはランキング反映への加点です。本作のキャッチコピーで書いたひと時の快楽の代償として支払うあれとはこれのことです。
「他にも読者ならいるのに大袈裟な」と思われるかもしれません。しかしあなたが書いている作品が流行から外れていればいるほどその損失は大きいです。何故か?
流行から外れているということはその分流行ジャンルよりも期待できる読者の母数が少ないということです。そして当然ながら母数が少なければ少ないほど作家にとって一読者の希少価値は増してゆきます。
あなたが流行度外視の作品を書いていればいるほど、自主企画を通じて読者に出会うことでせっかくの自作に趣向が合う読者の評価をランキングに活かす機会を失うのです。永久に――。
ランキング反映機会の消失は特に書籍化を目指している作家にとって痛手となります。私自身、小説の執筆自体は特段好きではなくただ知識を換金したいとの目的のみで書いておりますので、書籍化の可能性の芽はどんなに小さくとも摘みたくないと考えております。第一話で私にとってデメリットであると考えたのはそのためです。
自主企画を通じて★を得たことで機会を失った私は多少の後悔の後に思考を巡らせました。
「自主企画は自由に参加条件を指定できて魅力的だ。でもランキング反映機会を失ってしまう。書籍化を目指す以上は使えないのか……」
そして思考を始めた私はいくつかの自主企画活用法に思い至るのです。
次回は自主企画の規則や魅力を考察し、作者と読者ととある第三者の視点でのメリットとデメリットにまとめ、それらを俯瞰して私が編み出した活用アイデアについて二~三話構成で述べてまいります。
「作者と読者の二者間じゃないの? 第三者って誰?」
そう思って楽しみにして頂ければ幸いです。
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