「何で認めちゃったの」

「認めてないですよ。殺人なんか」

 夢見さんが僕を見てニヤリと笑う。

「下着ドロのことですか」

「あれだって僕ははめられたわけで」夢見さんはそんなことわかってるとでも言いたげに微笑む。

「まあ、それがあなたいいところだけど」

「ねえ、食べないの。気合を入れて作ったのに」

 僕と夢見さんの前にはスパゲッティ・カルボナーラの皿が置かれている。

「もっとチーズいる」

 そして粉チーズが僕の皿のとなりに。もう十分のような気がしたけれど、僕はふたを開けてパスタの上に振りかけた。夢見さんは僕が一口食べるのをずっと待っている。その後の会話はすでに決まっている。

「どう」

「美味しいです」

 実際美味しかった。手料理なんて久しぶりだし。

「ワインもどうぞ」そう言って夢見さんはワインをグラスの中に。

「赤がいいっていう人もいるんだけど」

「あたしは白が好きだから」

 僕はワインのことなんてよくわからない。

「甘くないんですね」

「そうね」

「子どもの頃、おばあさんがワインを飲んでいて、こっそり飲んだことがあるんです」

「それが甘かったんだ」

 夢見さんがうれしそうに笑う。

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僕をストーカーと呼ばないで 阿紋 @amon-1968

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