アニオタに映画オタが弟子入りする

第7話「オタクは前進する」




 仮入部期間が終わった木曜日の放課後、皆でアップをし終えると、

 ヒカルがリクさんに声を掛けていた。


「リクさん!」

「よう、準備はできたかヒカル?」

「はい!倒立、やります!」

「……ほう、やけに自信満々だな?」


 驚いたことにこの3日間、ヒカルは一度もリクさんから逃げなかった。

 鍛錬と小休憩を挟みながらも、懸命に食らいつき続けたのだ。


「本当にこの3日間よく頑張ったよな、あいつ」

「ああ、初日に逃げ帰っちゃった俺とは大違いだよ、あいつは」


 リクさんとヒカルが少しやり取りし終えると、

 ヒカルが左端の線に移動して、念入りに上半身の関節をほぐし始めた。


「ハルっち、どう思う?ヒカルくん合格できそ?」

「それはやってみないとわかんないわよユウカ。けどきっと大丈夫よ」


 他の1年生が楽しく仮入部中に、基礎練を始めたりワイワイしてるのに、

 1人で黙々とリクさんの指導と向き合えてたなんて生半可な覚悟じゃない。


「よし、じゃあやってみろ!」

「……はい!行きます!」


 初めの1歩。


「そうだな。けど、俺はこの一発勝負で渡り切って見せると思うよ」


 また1歩と。


 他のダンス部たちも例のアレかと、ヒカルの倒立を見守り始めた。

 そうだゆっくりで良い。体の体幹を意識して落ちないようにするんだ。


 ゆっくりと逆立ちで歩いていくヒカル。


『そうだ、しっかりと上に向けて足を伸ばして姿勢を保つんだ。重心をブレさせないように、調整は腰でして行くんだ』


 3分の1を渡り終えたヒカル。


 そろそろ身体が段々と温まってきた頃合いだろう。

 鼻にを滑り落ちて溜まってきたヒカルの汗が、ポトリと床に落ちた。


 また1歩前へと。


『まだ体力は余ってるけど……。進捗はそろそろどの辺りだろう?』


「あと半分だぞヒカル!頑張れえええええ!」


 折り返し地点まで行くと、セシルが喝を飛ばし始めた。

 こんな泥臭く抗ってる様を見せつけられたら、応援したくなるよな。


 また1歩。


「頑張れヒカル!あともうすぐだ!」


 そろそろ周りから音が消えて視界も狭まってきただろうか、

 ヒカルの歩幅のペースが下がってきた。


『……ここで弱気になるとダメだ、しっかり地面を指で掴むんだ……』


 およそ3分の2くらい通過した。

 そろそろ肺が酸素を渇望し始めたのか、ヒカルの息遣いが乱れてきた。


「……ハアっ、ハアっ、ハアっ……」

「もうすぐやヒカル!!渡り切ってみせろ!!」


 リョウスケさんまで喝を入れ始めた。

 更に一歩前進。


『そろそろ肩も苦しい……今すぐ楽になりたい……』


「止まるなヒカル!!あと5メートルくらいだぞ!!」

「ハアっ、ハアっ、ハ……っ……!」


 腕がいうことを聞いてくれなかったのか少しの間止まったけど、

 再び意を決して進み始めたようだ。


 1歩。


 俺はヒカルの水筒を取りに行きに、荷物置き場へと向かった。

 リクさんもヒカルのタオルを持って、様子を伺い始めたようだ。


「あとちょっとだヒカル!!」

「ガンバー!!」


 1歩。


『……進め……!』


 前進。


『…………』


 1歩。




『ダンっ』




 --




 倒立から背中に倒れるようにして地面に転がったヒカルは、

 汗をダラダラと流しながら仰向けに深呼吸を繰り返していた。


「はーっ、はーっ、はーっ」

「よく頑張ったな、ヒカル」

「リク先輩……僕、合格……できたでしょうか……?」

「ああ、おめでとう。合格だ」

「良かった……です……!」


 そう言って俺とリクさんは彼にタオルと水筒を差し伸べる。

 ヒカルは見事に20メートルを渡り切って見せたのだ。


「ヒカルくんやるね〜!おめでとっ!」

「村上くん、おめでと……」

「おめでとう村上くん!ナイスファイトだったよ」

「村上くんおめでとう!」

「村上おめでと!凄かったわよ!」


 女性陣にも褒められてモジモジし始めたようだ。

 一瞬その弛んだお腹を蹴り上げようかと迷ったけど、

 本当に頑張ったんだし今は大目に見てあげようか。


「リクさんよくもこの3日間でここまで鍛え上げられましたね!」

「ああ、見事に期待に応えてくれたよ。が順調に育ってるようだなヒカル」

「体幹……ですか?」

「ああ、倒立するときの鍵になる筋肉が体幹だ。そこが鍛えられてこそ、一瞬だけでも物凄い姿勢で止まれるようになるし、パワームーブするにおいても鍛えるのが必要不可欠な筋肉だ」


 いかにも、俺の2000だってガッと体を引き絞って回転するときに、

 鍛えられた体幹がとしてしっかり機能してこそ、実行可能なんだ。


「他にもブレイクダンスに必要な筋肉を効率良く鍛えるのに、倒立は欠かせないからな。怪我の予防にも繋がるし、これからも続けていくといいよ」

「……わかりました、ハルト先輩!リク先輩も有り難うございます!」


『……ほう、リクさんが大きなハードルを用意したのは、お前ならきっと乗り越えてくれると信じて課せられたものだと、もう気がついてたのか。本当にな奴だな……』


「本当によく頑張ったなヒカル!ハルトとセシルに負けない程良い度胸を持ってたんだなお前!」

「ああ、本当にそうだぜ。俺も最初は音を上げると思って逃げると思ってたんだからな。……なぁ、ハルト?」


 こらニヤケながら俺に話振ってんじゃねえリクさんめ……。

 けど、本当に凄いよ。

 その忍耐力をダンスに向けたらすぐ上手くなれるだろう。


「……本当にそうですね。リクさんの約束通り、ヒカルに基礎を教え始めちゃいましょう」

「そうだな。立てるか、ヒカル?約束通り今から基礎を教えていくぞ」

「……はい!よろしく御願いします、ハルト先輩にリク先輩!」

「俺は3年生でまだ時間はあるけど、2年生の方が良いだろう。ハルト、ヒカルのになってやれ」


 確かに話の流れだとそうなるか。もちろん快く受けるさ。

 ヒカルは昔の自分のようだし、鍛え甲斐がとてもありそうだからな。


「はい、喜んで。これからも改めてよろしくな、ヒカル」

「よろしくお願いします!師匠!」


 今日、俺に弟子ができた。

 まるっきり過去の自分と向き合ってるかのような錯覚も覚えながら、

 よりブレイクダンスと自分自身に向き合っていけそうだ。


『俺はヒカルにダンスを教えていく過程で、成長して行くだろう』


「じゃあ早速、トップロックから教えて行くぞ。ハルトも来てくれ」

「はい、リクさん。じゃあ行こっかヒカル」

「はい、2人ともよろしくお願いします!」


 俺とリクさんでヒカルに基礎を叩き込むため、

 他の全員もそれぞれ自分の練習に戻っていった。




 --




 リクさんは指導に入る前に、先ずは実演も混ぜていきながら、

 座学でブレイクダンスの基礎的な知識をヒカルに聞かせて言った。


「先ず大前提にブレイクダンスには、4つの大きな要素がある」


 その話をまとめると、以下の通りだ。

 1、。これは主に立ち踊りだ。これは1つ目のスタイルの表示で、ダウンロックに移行するための準備運動(曲芸)ともいう。


 2、、別名フットワーク。これは床に手をついて、足の速さやフットワークの制御を見せびらかす場面だ。


 3、。これは踊りを中断して、凄まじいバランスで求められた姿勢を保持する一種のアピールだ。一般的にチェアーや倒立、肘、肩と更に種類分け可能。


 4、。これは勢いと莫大な体力を必要とされる大胆な技だ。この間俺がやってたバックスピンや、リオのスワイプスなどがまさにそれだ。


「この通りで主に、カンフーやタップダンスなどの分野から引っ張ってきた動きが多い。ムーブ中にアクロバットするダンサーもいるからな」


 セシルがたまにムーブの始めにロンダートからのバク宙の1回転捻りしたり、

 ウェブスターやコークスクリューなんかも取り入れるダンサーが居るな。


「……はい」

「ブレイクダンサーのワンムーブの基本的な流れは大体トップロック、次にフロアムーブで最後にフリーズで決めるのが一般的だ。あくまでも一般的だがな」


 トップロックが苦手なブレイカーだと、してきてフロアムーブに入る奴もいるし、ゴリゴリのパワースタイラーがフットワークを一切せずに、ワンムーブを消費するダンサーも1人や2人じゃないからな。


「はい!」

「他にもブレイキンで大切な語句などを解説していくぞ。先ずは雰囲気《フレーヴァー》のことだ。これはバトルにおいて重要で、踊りながらキャラを作ったりムーブに流れ《フロー》を意識することで作り出せる」


 新入生歓迎会でユウカがやってた手形の銃で戯れる動きがまさにそれで、

 これは観客もが見てて楽しくなれるを出していくと、

 ジャッジがに、加点される程無視できない要素なのだ。


 俺が立ち踊りでステップより奇妙なトップロックも、

 たまにするようになってから、歓声も上がりバトルの勝率も上がったんだ。


 フローに関しては独自の解釈だが、やダンススタイルを、

 崩すことなくムーブのことじゃないだろうか。

 さてそろそろ俺も説明に加わるか。


「ブレイキンが派生したHIPHOP文化は独自性オリジナリティを重んじる文化だからな。より個性的で音楽に合った踊りをしたダンサーがより評価される」

「はい!」

「だから例えばウィンドミルからフットワークへと流すような繋ぎ《トランジション》も意識して、方向転換や入り方を変える工夫をするとより良い。例えばそのダンサーを代表する動きにという概念もある」


 俺の高速2000や、セシルの高速片手Aトラックスなんかがまさにそれだ。

 さてバトル系のハンドジェスチャーにも手を出していくか。


「そこで他人のシグネチャームーブをパクるのはNGなんだ。明らかに特定の個人がやっているだろう動きを真似すると、『や!』ってディスられるぞ」

「それは、どうしてですか?」


「さっきも言ったがブレイクダンスはオリジナリティを重んじる文化なんだ。皆が同じような決め技を繰り返してたらつまらないだろ?だからなるべく、誰もがまだやったことのない動きを思い付くとバトルで有利になるんだ」


 バトルでもたまに見かけるが、バイトとは他人の独自な技をパクると、他のBBOYから突っ込まれるシグナルだ。両腕を曲げて突き合わせるハンドジェスチャーもあって、名前の由来はその動作から来ている。


「……でももしそうだと、後から参戦した者は不利になる一方なんじゃないですか?独特な動きをどんどん思い付く先駆者が増えれば増えるほどに、オリジナルムーブを開発できる余地はどこかで無くなりそうですし、もしそうだとしたらブレイクダンスって実はクソゲーなんですか?」


 お、おう。

 気になる疑問点が浮かんだら即刻に質問を飛ばすのは感心できるが、

 俺の大好きなブレイクダンスをクソゲー呼ばわりするのは感心しないな。


 言葉遣いの影響か、リクさんは思わず吹き出してしまったようだ。

 そのまま解説のバトンを彼に戻す。


「いや、オリジナルムーブと言っても、その特定の動きがある程度のを得てやってる人が増えると、バイトとディスられなくなる。基準が曖昧なところだが、本当にそんな感じなんだ。だからそう悲観的になることは無いぞ」

「なるほどです」


 確かにな、俺の高速2000だって厳密には、できてるからそんな空気ができてるのであって、最近パワームーバーでも取り入れてる人がちらほら出てきたから、近いうちに称号剥奪かもな。


「だから大事なのは、技を自分でバイトかどうかをすることだな。だからもし『この動きは自分が生み出したんだ!』と思ってたものが別の人と同じネタだったら、その動きの質をより高めるなりアレンジを加えて修正していくと良い」


 流石リクさん、俺も過去に説明を受けたことがあるが、やはり伝え方が上手い。

 彼もパワーよりもスタイルを重視したダンサーだからこそ、

 俺も過去に教えを乞うことで、今の自分のダンスがある。


「……興味深いですね!了解です」

「それからという文化もある。これは1&2のカウントで相手を攻撃するような立ち動きをしてから、3&4でしゃがむというステップ(アップロック)を向かい合ってやり合うものだ」


 最近では昔ほどにあまり見なくなったが、

 たまにチームバトル同士でやってたりすることもあるな。


 この動きは新入生歓迎会で肘を振り回す動きをしたときに、

 向井堂部長にディスられた件のステップがまさにこれに当てはまる。


「はい」

という要素もあるぞ。これは一般的なステップ、フリーズやパワームーブにムーブのことだ。代表的なものはエアフレア中に帽子を脱いで、付け替えたりする……などのハットトリックがある」


 他には倒立系のフリーズ中に帽子の向きを変えたり、ただの6歩中に両腕を浮かせて、伸ばしながら回したりするとのムーブとして映るから、本当にそんな些細な工夫が大事になってくる。


「面白そうですね」

「早速だが、部活終わりに必ずやるからお前にも体験してもらう、サイファーというものもある。これはダンサーで円を形成して、1人ずつその中心に出てきて踊っては戻るものだ。ダンスバトル大会のするのが主流になってきてるが、その場合はジャッジに見てもらうために形成するのはだ」


 サークルという別名もあるが、これは主にDJタイム(休憩タイムのこと)で気軽に踊りを披露し合うときに使うニュアンスもあるから、俺たちはそんな感じで使い分けてたりする。


「なるほどです!」

「よしそれじゃあ、そろそろ本格的に教えていこうか。ハルトも手伝ってくれ」

「もちろんですリクさん。先ずは無難にトップロックのからいきましょう」


 そう言うと俺とリクさんはヒカルの前に出てきて、お手本を見せていく。


「そうだな、じゃあやって行こう。先ずは足を出しながら手を振る。コツは真横じゃなく、出した足に合わせて斜めに振るんだ」


 俺たちを真似するようにヒカルもステップを踏み始めていく。


「このように腕を振ってるのはブレイキンがバトルカルチャーの色が強いから、相手のイメージなのと、単純にカッコいいからが理由だ」

「はい」


 3人でツーステップを繰り返してると、次第に身体が疼いてきたので、

 俺は気が向くままにステップの間に小さいジャンプを入れ始めた。


「今丁度スピーカーから流れてるハウス曲をよく聞いて、ステップを踏んでいくんだ。せて、足を出すと同時に広げていく」


 俺たちは徐々に腕の振りや足を床に出す範囲を拡大して、暫く続けた。


「よし、今度はを練習しよう。先ずは右サイドでするために、軽く右足を空中に突き出せ。それから突き出した右足を下げると同時に、左足を先程と同じように置くんだ」


「そして身体を右に向けながら、浮かせた左足をにつま先で落とす。このときに左腕を横に広げて、右腕を胸の前に置くようにすると良い」

「これがインディアンステップ……」


「反対方向も同じようにステップを踏むんだ。ステップを繋げて交互に踏むときは、落とした足をたらやりやすいぞ」


「そしてまた連続で同じ方向に踏みたいときは、例えば連続で左にしたいときは、降ろした右足を上げて、後ろに引きながら左脚を蹴るんだ」


 そしてまた3人で右足を戻して、クロス。

 だいたいワン、ツー、スリー、フォー、のカウントでステップを踏んで行く。

 この連続インディアンステップも逆方向にもやっていく。


「ほら、意外と楽しいだろ?これ」

「また音楽に合わせて、ステップを踏み込んで行く。今度は通常のインディアンも連続ステップも頻繁に織り交ぜてステップを踏んでいくぞ」


 連続インディアンで少し横移動してみたり、ツーステップも併用していくうちに、俺たちは元の立ってた位置から少しだけあちこちに行き始めた。


 そんな俺たちをリオ達や他ジャンルのダンサーが微笑ましく見守る。

 中にも俺たちに露骨にを飛ばしてた奴らもいたが、

 今はヒカルの指導に集中しようか。




 --




 少し休憩した後に、俺たちはダウンロックの指導に入った。

 倒立は今日散々やっただろうから、また今度にするか。


「よしじゃあ先ずは基礎中の基礎の6歩をしようか」


「先ずは左回りで教えよう。先ずはしゃがんで四つん馬になり、若干内股で膝を軽く宙に浮かせるんだ。この型をとも呼ぶ」


 これから反時計回りで動くので、

 最初の1歩目として左脚を左軸手の横に出した。


「これが6歩の1歩目だ。しっかり肩に体重をかけるように意識することが大事だ。基本的に足を動かしていくぞ。」

「2歩目に左足の膝裏にはめ込むようにして、右足を差し込んでから、3歩目に掛かった足を使って前で弧を描くようにして、軸手の横に引くんだ」


 ヒカルは物覚えが早いのか、問題なく動きについて来れていた。


「4歩目のときに右足で半円を描くように意識して、軸手を右に変えると同時に、左足に引っ掛けるんだ。ここからは単純で、5歩目に左足を後ろに引いて6歩目で最初の0歩目の姿勢に戻るんだ」


 一般的にチェアーが左手の人は6歩で反時計回りに動く人が多いようだが、

 念のために俺たちはヒカルに時計回りの方も指導した。


「あと大事なことだが、よ、特にフロント(下半身が前に出てるとき)は着きガチだから気を付けろ。基本的にフットワークにおいて膝を上げないために、を床に接触させるように。さて、こんなものか」


 交互に何周かしてると疲れてたのは恐らく、倒立と向き合ってきた筋肉痛の影響だろうか、ヒカルが少しバテてきた。なので今はこれくらいにするか。


「よしじゃあ早速チェアーに入ろうか。先ずは膝立ち状態になった方がやり易い。それから左肘をなるべくおへその方に近づけるようにしてくっつける」


「……これがチェアー……」

「その姿勢を固定したまま、軸腕の手を地面に置くんだ。それから空いた右手を少し斜めの床に置くと、次は両手と頭で三角形を作るようにして頭を床につける」


 ヒカルも左軸手のみで身体を支えるようにして、

 足を浮かしてみるのを真似たんだが。


「オオオオオウエッ!!」


 思わず汚ねえ声が漏れてしまったせいでリクさんと吹き出して、

 俺たちも盛大にチェアーから崩れ落ちてしまった。


「おいおい、大丈夫かヒカル?……プクククっ」

「……何事かと思えば、運動不足が深刻らしいな」


 断末魔のような声を聞きつけてクルミが急いで向かってきたけど、

 事情を軽く説明してやると他の皆も落ち着いた。


『お腹がメチャクチャ痛い……!!なんだよこれ……。大腸が潰れるかと思った……』


 まあ最初から何もかもが淡々拍子に進むわけがなかったか。

 だがこれも現実だから受け入れさせてあげよう。


 その後も俺たちはヒカルにフットワークの3歩と2歩を教えたが、

 うまくできなかったできず、そろそろ部活の終了時間が近づいた。


「よしヒカル、早速だが今から行うサイファーにも参加してもらうぞ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る