第10話冒険者登録

数日が経ちクラックが帰ってきて、ナデットとシェカンのことを説明をする。クラックも話を聞いた時はとても驚いたが、ナデットの覚悟を聞いて頷いた。クラックとパラリマはナデットを冒険者登録へ連れてく事へした。


「俺も行きたい!」

「シェカンはもうしてるだろ?」

「でも、もう一回行きたいんだよ」


シェカンはすでに冒険者登録をしているが、ナデットの事を見守りたい気持ちで溢れていた。一緒に行くことを覚悟してから、ナデットの事を強く意識している。


(冒険者登録かぁ。ギルドってどういうところだろう?やっぱりテンプレとかあるのかな?でもパパがついてくるっぽいし、それはないか)


ナデットは呑気にそんなことを考えていた。少し必死なシェカンに多少の違和感を覚えながらも、一緒に喜びたいなぁとも考えている。


〜冒険者ギルド〜

数時間後、色々話し合いナデットへの冒険者登録へ来た。クラックとパラリマはもちろん、シェカンも一緒に来ている。来る途中にパラリマとクラックが嫁だなんだ話をしてて、パラリマが苦い顔をしてるのをナデットとシェカンは知らない。


「おう、シェカンじゃねぇか!特訓は続けてんのかよ?」

「おう、もちろんだ!」


かなり大柄の厳つい見た目の男に頭をくしゃくしゃ撫でられながら応える。


「あらぁ、可愛らしいお嬢さんねぇ。クラック、パラリマ久しぶりねぇ。もしかして、今日はこの子の?」

「エンリ。久々だな。そうだ、俺とシズクの娘のナデットだ」

「ナデットちゃんって言うのねぇ。私はエンリっていうの。はじめましてぇ」


ほとんどの男が振り返りそうな見事な胸を持ったローブ姿の女性が、クラックとパラリマに近づいてくる。かなりおっとりした口調で大人になりかけの年代の男性ならば、そのフェロモンにやられてしまいそうなぐらい魅力に溢れている。


「うわぁ、すごい」

「うふふ、ありがとう」

「あっ、ごめんなさい。ナデットです。エンリさん。始めまして」

「いいのよぉ」



ナデットも女だが思わず胸をガン見して挨拶も忘れて呟いてしまう。さすがに失礼に気がつき、すぐに気をとりなおして挨拶を返す。エンリは相変わらず優しそうな微笑みを崩さないでいる。


「さて、ナデット行くぞ」

「うん!」


そう言われて連れてかれたカウンターには耳が長いエルフがいた。ナデットは(テンプレの獣人じゃないんだ)と思っていたが、エルフの受付は長い寿命と高い記憶力で古い書籍等も読めるため受付嬢になりたいエルフを重宝してる街は多い。



エルフも冒険好きは存外少なく、冒険者の減る2時頃は貯蔵されている本をゆったりと読めるこの仕事が好きだったりする。



「お願いします!」


ナデットは元気よく受付に話しかけた。

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ライバル令嬢の地位が盤石なので転生ヒロインはストーリー終盤に再会する幼馴染の冒険についてきます。 @touhu-seisin0

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