第8話パパに相談
シェカンと別れたナデットは、今の人生の両親と食事をしていた。前世よりも大変ではあるが、平凡ながら幸せを感じている。いつもよりも静かに食事をしているナデットに対して訝しんでいる。
「どうしたんだ?いつもよりもしずかだな」
「もしかして今日のご飯美味しくなかった?」
両親は不安そうにナデットを見つめ、ナデットも心配させてしまって悪いという気持ちを感じてしまう。意を決して、自分が聖属性魔法を使えることとシェカンの旅についていくことを話そうとする。
「違うよ。パパ、ママ。私、あの日から聖属性魔法使えるようになったの。だから、シェカンの冒険についていきたい!」
「「ええ!?」」
「それは本当なのか?」
ナデットの突然の告白に2人して驚き、パラリマは続けてナデットへ質問を投げかける。ナデットはその言葉に黙って頷く。
しばらく2人して見つめあってから、黙って頷いたあとナデットのほうへ向き直る。
「本気なのね?」
「うん、シェカンには伝えてある。パパから許可もらえたら一緒に行こうって言われてる」
「そうか」
ナデットの話を聞いてし、短い返事をしたあと少し黙ってしまう。
(ここで許可もらえないと、絶対やばい)
重苦しい雰囲気が束の間の間流れた後、パラリマは口を開く。
「わかった。しかし聖属性とは・・さすがはシズクの娘だな」
「え!?」
(そういや、シズクってあきらかに日本名だよね?もしかしてママも転生者だったりするのかな?)
母親であるシズクは、パラリマと冒険者パーティをしていた。ヒーラーとして旅をしていたが、年齢と共に能力が衰えていき支えることが難しくなってきていた。パラリマはやめる必要はなかったのだが、シズクと共に引退して農家へと転職した。
「ママって結構すごい回復魔法使えたんだっけ?」
「そうだぞ。シズクはな特殊な回復魔法の使い手だったんだ」
「いやだ、その話はしないでよ」
パラリマがナデットとの冒険談でシズクの話をすると、どこからかシズクが現れ話を遮ってしまう。そのおかげでナデットは、パラリマの活躍しか知らず、シズクの魔法がどういうものなのかもわからない。
「いい加減話してもいいと思うんだがな」
「ダメ」
「ええ、聞きたかったなぁ」
本人がここまで否定してしまってはパラリマも話すわけにはいかず、頰を書いてごまかす。
「自分の身も守りたいから、シェカンに剣を教えてもらおうと思う」
「そうだな、最低限の筋力体力は必要だな」
剣を教えてもらうのは否定されると思っていたナデットだが、あっさりとパラリマから許可をもらえた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます