第5話ただいま故郷

「お、ナデット!お帰り!」

ミーファイ村に帰ったきた2人を迎えたのは村で剣の素振りをしていたシェカンだった。ナデットとは数ヶ月違いで産まれた幼馴染で2人は大抵のことは一緒にやってきた。


「ただいまシェカン!」


帰ってきたそうそうに抱きつこうとするナデットにシェカンも応えようとするがパラリマに「まだ早い」と抱き抱えられてしまう。


「はーい」


不満そうに返事をしつつ、大人しく抱っこされながらお母さんのいる家に向かうことにした。


「また明日な」

「うん、明日はいっぱい遊ぼうね!」


そういった力いっぱい手を振るシェカンにたいして、ナデットも大きな声で応えた。それを見てたパラリマも仲がいいのはいいが、一抹の寂しさを覚えている。


「「ただいまー!!」」

「あら、お帰りなさい」


2人は我が家に帰り、母親はそれを暖かく受け入れる。ナデットとシェカンのハグは許さなかったのに2人は普通にハグをしている。


(帰ってくるまでに思い出したことがある。まず、来年の春お母さんは病気にかかり、満月の夜に私が聖属性の魔法に目覚める予定だった。来年の秋にこの村にスタンピートの前兆が出て周囲の村の冒険者を呼び寄せる。そして1つの冒険者パーティに誘われてシェカンは冒険者に広間で治癒活動に勤しんだ私は教会に魔法学園の入学に勧められる)



(そして、物語の序盤でライバル令嬢が捨てたチー供を手に入れて婚約者の立場を奪っていき、終盤のラスボス戦でパーティが壊滅して、ソロ冒険者として憎しみの死神と化したシェカンと再会することになる。私は今からでも聖属性魔法は使えるし、明日シェカンに色々話してみよう)



まだ、若い身体で色々考えていると眠気に負け、考えている途中で夢の世界へいってしまった。

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